2020年予算、前年比9.9%増の大型に

(コートジボワール)

アビジャン発

2019年12月13日

コートジボワール国民議会は11月27日、2020年予算案を承認した。経済活動の活発化の見通しに立って編成された新年予算は、歳入、歳出ともに8兆610億CFAフラン(約123億ユーロ、1ユーロ=約655.957CFAフラン)となり、2019年当初予算と比べ9.9%増の大型予算が組まれた(表参照)。

歳入の内訳は、国内財源が79.4%(うち税収は61.6%、国債は23.3%)、国外財源が20.6%(うち財政援助29.6%、贈与を含む開発プロジェクト融資70.4%)。国内財源は前年比6.4%増を見込む。企業活動の活発化や消費の拡大に加えて、徴税の効率化などにより、7.4%の税収増を見込んでいる。2020年も1兆4,944億CFAフランに上る新規国債を発行し、歳入不足を補う資金を金融市場で調達する計画だ。一方、国外財源はプロジェクト・ファイナンスを中心に、IMF、世界銀行、アフリカ開発銀行をはじめとする国際金融機関などからの融資拡大により、25.7%増を見込む。

歳出は、経常支出が38.0%(うち人件費57.8%)、公的債務返済が26.5%(うち対外債務40.7%、対内債務59.3%)、投資支出が28.3%を占める。経常支出では、社会インフラ、教育・人材育成・研究、保健衛生、国防・治安、農業、環境保全、中小企業支援などを重点施策に据え、人員増員や待遇改善により人件費が増額されるほか、これに伴う設備・機材・サービスの調達も拡充が見込まれる。公共投資支出は、近代的繁栄国家を目指す国家開発計画を反映し、社会サービスの改善、基礎インフラの整備などを柱とし、輸送、農業、工業、電気通信分野の産業振興など広範な分野が対象だ。雇用創出や景気てこ入れ効果を狙い、前年当初予算と比べて8.9%積み増しされた。

公的債務の返済は、重債務貧困国(HIPCs)イニシアチブに基づく債務救済措置により、対外債務の包括的削減が進み、財政上の負担は軽減されたものの、歳出の3割弱を占め、依然大きな割合だ。政府は、公的債務を経済・社会開発のための重要な財源として活用しながらも、債務返済負担が持続可能な水準に保たれるよう、管理強化に努めるとしている。

表 2020年予算の主な内訳

(渡辺久美子)

(コートジボワール)

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