憲法裁判所、議会解散の違憲性審議を受け入れ

(ペルー)

リマ発

2019年11月14日

ペルー憲法裁判所(TC)は10月29日、マルティン・ビスカラ大統領が9月30日に行った議会解散の違憲性を問う審議を行うことを決定した。ペドロ・オラエチェア元議長が議会解散は違憲だとして、議会を代表してTCに異議を申し立てていた。審議決定に伴い、TCは内閣に対して反論書の準備と説明を30日以内に行うよう命令した。一方で、オラエチェア元議長が別途提出していた議会解散の差し止め請求は却下された。内閣側の説明後、議会側にも説明の機会が与えられるが、いずれも時間を要する上、解散を受けた議会選挙が2020年1月26日に予定されているため、多くの専門家は、TCの審議によって議会解散が覆ることはないとの見方をしている。実際、TCのカルロス・ラモス担当判事は、議会選挙自体については審議事項ではなく、予定通り実施されるべきだと述べている。

一方で、2020年1月の議会選挙に解散前の議員が立候補できるか否かについて、選挙管理委員会(JNE)は11月11日のプレスリリースで、今回は議員の再選を禁じる憲法改正法(法律30906号)の対象にはならないとし、前議員の立候補を認めた。これについて世論調査会社PULSOが有権者を対象に行ったアンケートでは、77%が前議員ではなかった候補者に投票すると回答している。一方で、JNEは、もともと任期満了に伴って2021年に予定される総選挙への旧議員の立候補の可能性については言明を避けている。一部の専門家は、現在のJNE委員の任期が2020年11月までのため、後任の新委員がその判断をするのではないかと分析している。

(設楽隆裕)

(ペルー)

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