中国国際輸入博覧会にイタリア企業160社超が参加

(イタリア、中国)

ミラノ発

2019年11月11日

11月5日から10日まで中国の上海で開催された「中国国際輸入博覧会(CIIE)」に、160を超えるイタリア企業が出展した。その動きからは、経済成長が伸び悩むイタリアの、中国への期待がにじむ。

今回で2回目の開催を迎えた同博覧会では、イタリアはフランスなどとともに「来賓国」(計15カ国)に指定されており、ENI(エネルギー)、アルファロメオ(自動車)、ドルチェ&ガッバーナ(アパレル)などのイタリアを代表する世界的企業に加え、在中国イタリア商工会議所などの支援を受けて幅広い業種の中小企業も多数参加した。イタリアの貿易促進機関ICEによって、イノベーションや都市開発、観光など5つのテーマを軸に、ピサの斜塔の模型などが並ぶ「ミニチュア版イタリア」をイメージしたナショナルパビリオンも設置された。

にじむイタリアの中国への期待

今回の博覧会開催に合わせ、イタリアのルイジ・ディマイオ外相は中国を訪問、11月5日に習近平国家主席と会談した。ディマイオ外相は、中国におけるイタリアのビジネス面でのプレゼンスを向上させ、「メード・イン・イタリー」の地位が今後、さらに上がっていくよう注力することを明らかにした。

イタリアの主要貿易相手国のうち、中国は2018年の輸出面において全体の9位、2.8%のシェアを占めている。2015年から順調に拡大を続けていた中国向け輸出は、2018年は前年比2.4%減(注)と陰りが見えつつあるものの、GDPに占める輸出比率が高いイタリアにとって中国は無視できない重要な貿易相手国で、膨大な人口を抱える中国は依然として魅力的な市場だ。イタリアは2019年3月には中国が主唱する「一帯一路」構想に関する覚書を交わしており(2019年6月27日付地域・分析レポート参照)、ディマイオ外相は今回の訪問で、「2020年はイタリアと中国の外交関係樹立50周年の年であり、(2019年3月に)中国と締結した(一帯一路の)覚書のメリットを享受する年になるだろう」とコメントし(「イルソーレ24」紙11月5日)、中国との建設的な関係強化へ期待をにじませている。

(注)イタリア国家統計局(ISTAT)公表のデータより算出。2018年は暫定値。

(山崎杏奈)

(イタリア、中国)

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