第3四半期の貿易黒字、前期比13.6%増、単月では21カ月連続に

(オーストラリア)

シドニー発

2019年11月13日

オーストラリア統計局(ABS)は11月7日、2019年9月の貿易収支(財・サービス収支)は71億8,000万オーストラリア・ドル(約5,385億円、豪ドル、1豪ドル=約75円)の黒字となり、2019年8月より8.5%(5億6,300万豪ドル増)増えたと発表した。また、2019年第3四半期(7~9月)の貿易収支は211億1,300万豪ドルの黒字で、第2四半期に比べて黒字幅は25億2,100万豪ドル拡大し、13.6%増となった。

2019年第3四半期の財の輸出(非貨幣用金を含む)は、前期比3.0%増の1,020億1,700万豪ドルだった(表1参照)。品目別にみると、引き続き鉄鉱石・鉱物が好調で、前期比7.3%増となった一方、石炭は10.6%減少した。農産品は、肉・肉調製品が5.8%増加したが、穀物が4.1%減少するなど、全体として2.4%減となった。

表1 品目別の財輸出

財の輸入は、前期比0.9%増の805億900万豪ドルだった(表2参照)。品目別にみると、消費財(0.5%増)および中間財・その他(0.1%増)が微増した。一方、資本財は3.0%減で、通信機械(14.0%増)が大きく増加したものの、民間航空機・関連機器(37.8%減)、工業輸送機器(12.8%減)、機械・工業製品(4.4%減)が軒並み減少した。

表2 品目別の財輸入

サイモン・バーミンガム貿易・観光・投資相は、9月の統計発表を受け、21カ月連続で貿易黒字を記録したとし、「オーストラリアの雇用の5分の1は貿易に関連したもので、貿易の拡大によって、より多くの雇用が生み出され、経済成長が促進される」と強調した。

また同相は、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)交渉の進展を例に挙げ、「引き続きより多くの輸出機会と市場アクセスを提供していく」と説明した。さらに、「年内にインドネシア、ペルー、香港との自由貿易協定(FTA)を批准できるよう努める」とも述べた。

(住裕美)

(オーストラリア)

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