米国、第2四半期の貿易赤字は前期比増の1,633億ドル

(米国)

ニューヨーク発

2019年10月04日

米国商務省が9月19日に発表した、2019年第2四半期(4~6月)の貿易統計(国際収支ベース、季節調整済み)によると、輸出(財・サービス)は前期比0.7%減の6,223億ドル、輸入は0.3%増の7,857億ドルだった(添付資料の表、図参照)。その結果、貿易赤字は前期より69億ドル多い1,633億ドルとなった。財、サービスの内訳では、財が2,233億ドルの赤字、サービスが600億ドルの黒字だった。なお、貿易総額は2期連続で前期比減となった。

民間航空機などの輸出が減少

財貿易をみると、輸出が前期比 1.1%減の4,146億ドル、輸入が0.3%増の6,379億ドルだった(表1参照)。個別財別にみると、輸出では、石油および石油製品(原油を含む)(前期比7.2%増)や大豆(56.2%増)が伸びたものの、民間航空機(完成品)が前期比36.3%減と大幅に減少し、押し下げ要因となった。

表1 2019年第2四半期の主要財別貿易(国際収支ベース、季節調整済み)

輸入では、家庭用品(携帯電話を含む)が前期比8.2%減と減少する一方で、石油および石油製品(13.7%増)、医薬品(10.3%増)などが、全体を押し上げた。石油および石油製品の大半を占める原油は18.2%増加、米国エネルギー情報局(EIA)によると、輸入量は前期比で2.9%増加し、また、この期間の米国産の原油単価(WTIスポット)は1バレル5.0ドル値上がりして59.78ドルとなった。なお、米国が1962年通商拡大法232条に基づき、2018323日に鉄鋼・アルミニウムに対する追加輸入関税の賦課を開始(2018年3月9日記事参照)した金属・非金属製品に関しては、2018年第1四半期に比べ8.0%減少した。

表2 2019年第2四半期の主要国・地域別財貿易(国際収支ベース、季節調整後)

対中貿易赤字は2期連続で減少

財貿易を主要国・地域別にみると、輸出では、EU(前期比6.7%減)、カナダ(2.1%減)などが減少し、全体を押し下げた(表2参照)。EUでは、金や原油の減少で英国が13.1%減と大幅に減少した。カナダは、民間航空機(エンジン、部品を含む)が減少した。

輸入では、カナダ、メキシコがそれぞれ前期比7.1%増、2.7%増と伸び、全体を押し上げた。カナダは原油や乗用車、メキシコは貨物自動車や自動データ処理機械などが伸びた。

対中貿易をみると、輸出が前期比2.6%増、輸入が0.2%増と伸びたが、増加額で輸出が輸入を上回ったため、赤字額は前期比で5億ドル減少し897億ドルとなった。赤字額の減少は2期連続となる。輸出は原油や半導体製造用機器など、輸入は携帯用などの自動データ処理機械や携帯・無線用電話機などが伸びた。なお、中国は貿易総額で2015年第1四半期から首位にあったが、当期は前期に続き、メキシコとカナダに次ぐ3位となった。

対日貿易をみると、輸出が前期比1.0%増、輸入が2.7%増と伸びたが、増加額で輸入が輸出を上回り、赤字額は前期比8億ドル増の190億ドルだった。赤字額は3期連続で増加し、2013年第3四半期以来の最高水準となった。輸出は民間航空機(エンジン、部品を含む)やトウモロコシ、輸入は半導体製造用機器などが伸びた。

(大原典子)

(米国)

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