APEC、女性の参加と活躍促す「女性と経済フォーラム」をチリで開催

(チリ、APEC)

サンティアゴ発

2019年10月11日

チリのコキンボ州ラ・セレナ市で10月1日、「デジタル時代の女性と貿易」をテーマにした会合が開催され、ビジネスやテクノロジー分野における国内外の女性リーダーらが参加した。9月30日から10月5日まで行われたAPECの「女性と経済フォーラム」のプログラムの1つで、チリ外務省国際経済関係次官官房(SUBREI)が主催した。イサベル・プラ女性相のほか、SUBREIのロドリゴ・ジャニェス総局長や、チリ貿易振興局(ProChile)のホルヘ・オライアン総局長らが出席した。

プラ女性相は会合で、重要視すべきテーマは経済界における女性の地位向上だと強調した。ジャニェス総局長は「11月のAPEC首脳会議の議長国チリの目的の1つは、長期的なアジェンダを策定し、女性が経営する企業が輸出を行う際に最適なサポートを提供できるようイニシアチブを取ることだ」と述べた。また、SUBREIが輸出を行うチリ企業を対象に行った調査結果にも言及し、対象となった426社のうち、経営者が女性の割合は5%にとどまり、それら企業の貿易額は全体のわずか1.4%の10億3,700万ドルだったと説明し、これら女性経営者のうち半数以上は、ビジネスを展開する上で女性には男性と同じだけの機会が与えられていないと考えていると紹介した。ジャニェス総局長は、こうした傾向への対応策として、チリがカナダやアルゼンチン、ブラジル、ウルグアイなどと自由貿易協定(FTA)を締結する際の先駆的な取り組みとして、ジェンダーに関する章を組み込んだことにも言及した。

「女性と経済フォーラム」の期間中の10月2日には、APEC加盟国・地域から選出された女性起業家を表彰する「APECベストアワード」などのイベントも開催され、日本から林文子横浜市長が参加し、オープニングスピーチを行った。フォーラムの総括として10月4日に発表された声明の全文は、APECウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで確認できる。

(岡戸美澪)

(チリ、APEC)

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