「外国人自営業者に禁止される職業を決定した省令」を撤回

(カンボジア)

プノンペン発

2019年10月17日

カンボジア労働・職業訓練省は10月5日、8月28日付で発布された、外国人自営業者に禁止される職業を決定した省令360号(2019年9月30日記事参照)を撤回する通達を発表した。通達によると、撤回の理由は、自営業におけるスキルワーカーは外国人が多いため、禁止することによる影響が大きいこと、また今後、外国投資家によるカンボジアへの投資を促進するためだという。通達は、N.035/19K.B/S.Chh.N.Kh.L外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますにおいて確認できる。

当地メディアによると、カンボジア労働組合(CLC)は本通達に対し、「驚いている。方針の変更が早すぎる。省令の影響を確認しないうちに禁止令を解除したことに対して、再考を求めたい」とコメントしている。労働・職業訓練省の報告によると、登録されている外国人労働者は93カ国16万人で、このうち、中国人が10万人以上と最も多く、中国人ほか外国人労働者が職を失うことの影響を懸念しての通達とみられる。他方、カンボジア政府は8月にネットカジノ禁止令を発布しており、それに関わる多くの中国人が帰国しているとの情報があり、中国人労働者に対する規制の必要性が低下した、との見方もある。

(脇坂敬久)

(カンボジア)

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