タイ工業連盟、2019年の自動車生産見通しを下方修正

(タイ)

バンコク発

2019年10月29日

タイ工業連盟(FTI)自動車部会は10月18日、2019年通期生産見通しを年初の215万台から200万台に下方修正した。これは、9月の自動車生産台数が前年同月比7.5%減の16万9,474台と5カ月連続マイナスとなり、1~9月の生産台数が前年同期比2.0%減の157万2,627台となったことを踏まえたもの。

通期生産見通しの内訳をみると、国内販売向けが期初の105万台から100万台に、輸出向けが期初の110万台から100万台にそれぞれ下方修正された。修正後の通期生産見通し200万台は、前年の生産台数(216万7,694台)と比較すると最大で7.7%減となる。8月の自動車設備の稼働率は、2018年第4四半期(10~12月)の90.0%に対し、80.8%と10ポイント近く下がっている。

自動車の輸出台数の減少要因としては、通貨バーツ高と米中貿易摩擦による世界的な景気減速が挙げられる。9月の自動車輸出台数は前年同月比6.4%減の9万7,540台で3カ月連続のマイナスとなった。1~9月では前年同期比4.4%減の82万1,101台となっている。1~9月輸出台数を仕向け地別にみると、アジア(4.1%増)、中近東(20.9%増)、欧州(2.4%増)がプラス、オセアニア(11.9%減)、北米(6.2%減)、中南米(28.2%減)、アフリカ(27.0%減)がマイナスとなっており、台数では、アジア向けがオセアニア向けを僅差で上回り、シェアトップ(29.7%)に浮上している。

国内販売台数の減少は、洪水被害や金融機関による自動車ローン規制の強化によるものだ。9月の国内自動車販売台数は前年同月比14.1%減の7万6,195台、4カ月連続のマイナスとなり、1~9月では前年同期比2.0%増の76万1,847台となっている。

表 2019年9月および2019年1~9月の自動車生産、国内販売、輸出台数

(高谷浩一、トンワニッチャノッパクン・ニチャーパッタラ)

(タイ)

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