トカエフ大統領就任後初の中国訪問、関係強化の文書に署名

(カザフスタン、中国)

タシケント発

2019年10月01日

カザフスタンのカシムジョマルト・トカエフ大統領は、9月11~12日に中国を公式訪問した。同大統領が中国を訪問するのは就任後初となる。

訪問初日の9月11日、トカエフ大統領は習近平国家主席との間で、カザフスタンの経済政策「光明の道」と中国の「一帯一路」イニシアチブ実現のための協議などを行い、協力関係強化に関する共同文書に署名した(表参照)。翌12日、同大統領は杭州に移動し、電子商取引(EC)大手アリババおよびハイテクセキュリティーシステムの大手ハイクビジョンの本社を訪問し、両社の会長と面談した。

表 トカエフ大統領訪中で署名された文書

トカエフ大統領は、今回の訪中前に中国CCTVのインタビューに中国語で答え(注)、「カザフスタンは内陸の閉鎖性を克服するために物流の発展に継続的に取り組んでいる。一帯一路政策はわれわれにとっても重要な目標で、中国とともに発展させていきたい」と述べている。

中国側は、トカエフ大統領を建国70周年に合わせた国賓として歓迎。中国政府外交部報道官は「中国とカザフスタンはお互いに良い隣人であると同時に、全面的戦略パートナーでもある。今回の訪中により、この関係をさらに発展させていきたい」と語っている。一方、カザフスタン国内では中国の経済進出に警戒する声も多く、各地で大統領の訪中に反対する抗議集会が開かれた。首都ヌルスルタン、最大都市アルマトイでは逮捕者も出ている。

(注)トカエフ大統領は、モスクワ国際関係大学出身で、外交官として在中国ソ連大使館で長期勤務しており、中国語に精通している。

(増島繁延)

(カザフスタン、中国)

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