第2四半期GDP成長率は1.9%、大統領選挙後も低調

(ナイジェリア)

ラゴス発

2019年10月09日

ナイジェリア国家統計局は、2019年第2四半期の実質GDP成長率(前年同期比)を1.9%と発表(9月4日)した。前期の2.0%(2019年6月4日記事参照)を下回り、2期連続で減速した(添付資料参照)。

ナイジェリア経済を左右する重要ファクターである石油部門を中心とする鉱業は前年同期比5.0%増で、前期の2.3%減から大幅に回復した。原油の価格、生産量ともにおおむね安定して推移したことが影響したとみられる。一方、非石油部門は伸び悩んだ。主要産業をみても、前期と比べてマイナスの成長率が目立った。情報通信業は前期の9.5%より減速したものの、9.0%と引き続き高い成長率を記録した。

混乱が懸念されたナイジェリア大統領選挙が2月に実施されたことに伴い、第1四半期の経済減速は想定されていた。結果的に、現職のムハンマド・ブハリ大統領が勝利して政権を維持し、国内で大きな混乱は起きていないにもかかわらず、経済のV字回復とはならなかった。5月29日にブハリ大統領が就任式を執り行った後も、閣僚は8月21日まで発表されなかった。閣僚が決まるまでは、重要法案の審議や実務の執行がされず、また、民間企業からも「誰にロビイングしてよいか分からない」などの声が聞かれるなど、実体経済には依然として停滞要因が残っていたとみられる。

(山村千晴)

(ナイジェリア)

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