第2四半期のGDP成長率は前期比横ばい

(イタリア)

ミラノ発

2019年09月09日

イタリア国家統計局(ISTAT)の発表(8月30日)によると、2019年第2四半期の実質GDP成長率は、前期比(季節調整済み)では横ばいの0.0%、前年同期比ではマイナス0.1%となった(表参照)。

表 イタリアの需要項目別実質GDP成長率(前期比、四半期ベース)

第2四半期のGDP(前期比)を需要項目別にみると、GDPの6割を占める民間最終消費支出は横ばいの0.0%増だった。機械や輸送機器投資の伸びに支えられ、総固定資本形成は1.9%増となった。財・サービスの貿易については、輸出が1.0%増、輸入が1.1%増だった。

ISTATが8月5日に発表した月例経済見通しでは、7月の消費者信頼感指数が上昇したことに伴い(注1)、企業景況感指数も回復した(注2)ことなどを理由に、イタリア経済は今後徐々に回復していくとの前向きな見方を示していたが、ISTATの8月28日の発表では、8月の消費者信頼感指数は7月の113.3から111.9へ、企業景況感指数も101.2から98.9への低下を示しており、先行きに不安が残るかたちとなった。

8月26日のOECDの発表では、EUおよびユーロ圏全体において2019年第2四半期のGDP成長率が失速し、イタリアの同GDP成長率は前年同期比で0.0%と、G7の中では最も低かったとした。

8月20日のコンテ首相の辞意表明以降、政治面では混迷が続いているが(2019年9月2日記事参照)、秋からは2020年の予算編成に議論が移される予定だ。対EUとの関係性も含め、新政権の経済政策に注目が集まる。

(注1)2019年6月は109.8だったのに対し、7月は113.3に上昇。

(注2)2019年6月は99.3だったのに対し、7月は101.2に上昇。

(山崎杏奈)

(イタリア)

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