貿易産業省、輸入セメントの緊急関税額を発表

(フィリピン)

マニラ発

2019年09月06日

フィリピン貿易産業省(DTI)は9月4日、フィリピンに輸入されるセメントへの緊急輸入制限措置(セーフガード)に基づく緊急関税額を発表した。

DTIの発表資料によると、国際競争に対する国内セメント産業振興のため、1年目は1トン当たり250ペソ(約525円、1ペソ=約2.1円)、または1袋(40キログラム)当たり10ペソと決定し、2年目は1袋当たり9ペソ、3年目は同8ペソを推奨している。この緊急関税額は、8月9日に関税委員会が答申した緊急関税適用額(1トン当たり297ペソまたは1袋当たり12ペソ)や、国内産業と消費者双方の便益を考慮して決定したとしている。

緊急関税額について、国内メーカー団体のフィリピンセメント協会は地元メディアに対し、「国内業界にとっては良いことで、業績回復の助けとなる」とコメントした。一方、輸入者側のフィリピンセメント輸入協会は「セメントが供給不足となる可能性がある」と主張している。

ロペス貿易産業相は「緊急関税額は、消費者販売価格への影響の最小化と、国内産業に対する損害の解消という2つの国益のバランスを取らなければならず、国内メーカーは引き続き、国際競争力の強化を推進すべきだ。セーフガードを発動しても、国内需要に対し国内メーカーには十分な生産能力があり、供給不足になるとは考えていない」と地元メディアに発言した。

(石見彩)

(フィリピン)

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