天津市、2019年の賃金ガイドラインを発表

(中国)

北京発

2019年09月04日

中国の天津市人力資源・社会保障局は8月28日、2019年の賃金ガイドラインを発表し、基準ラインを7%、上限ライン12%、下限ライン3%とした。上限ラインと下限ラインは前年と同じだったが、基準ラインは0.5ポイント引き下げられた。賃金ガイドラインに法的強制力はないものの、賃金の団体交渉制度を導入している企業などで、労使が賃金交渉を行う上での目安となっている。

天津市は同日、一部の業種の賃金ガイドラインも発表した。上限・下限ラインは全市の基準と同じだが、基準ラインは建築業6.6%(2018年は7.1%)、卸・小売業7.7%(8.3%)、交通運送・倉庫・郵送業6.6%(7.1%)、宿泊・飲食業7.7%(8.3%)、リース・商業サービス業8.6%(9.2%)、水利・環境・公共施設管理業7.4%(7.9%)、住民サービス業・修理・その他のサービス業7.7%(8.3%)と、発表された全業種で基準ラインが引き下げられた。

なお、企業は自社の状況を勘案し、賃金調整を行うことができる。具体的には、(1)前年度の平均賃金が天津市の平均賃金〔2018年:月額5,871元(約8万8,065円、1元=約15円)〕以下の企業は、賃金上昇率をガイドラインの基準ラインと上限ライン(12%)の間で調整(上記の一部特定業界は当該業界の平均賃金と基準ラインに基づく)、(2)前年度の平均賃金が天津市の平均賃金を上回り、3倍未満だった企業は、賃金上昇率をガイドラインの下限ライン(3%)と上限ラインの間で調整(上記一部特定業界は当該業界の平均賃金、下限ライン、上限ラインに基づく)、(3)前年度の平均賃金が天津市の平均賃金の3倍以上の企業は、原則として賃金上昇率がガイドラインの基準ラインを上回らないよう調整(上記一部特定業界は当該業界の平均賃金と基準ラインに基づく)となっている。

(鄭慧)

(中国)

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