ムハンマド皇太子が訪中、多数の合意・覚書を締結

(アラブ首長国連邦、中国)

ドバイ発

2019年08月01日

アラブ首長国連邦(UAE)のムハンマド・アブダビ皇太子は7月21日から23日まで中国を訪問し、習近平国家主席や李克強首相らと会談した。習国家主席とは両国の複合的戦略パートナーシップの強化と、共通の関心を有する国際的、地域的課題について議論した。

ムハンマド皇太子は、国交樹立35周年になる両国は継続して強力な関係を有しており、中国はUAEにとって重要な貿易国であるだけでなく、科学や宇宙、産業、投資、エネルギーなど関係分野が多様化していると述べた。中国の「一帯一路」イニシアチブ(BRI)について、戦略的立地にあって充実した物流インフラなどを有するUAEにとって、BRIによる利益はUAEの国益と調和していると述べ、引き続き参画していく姿勢を見せた。また、世界経済の安定に欠かせない湾岸諸国や中東における海上交通の安定確保に向けて、中国や友好国と連携していきたいとの意向を示した。会談後に発表された共同宣言で、安全保障、安定・持続可能な開発の実現に向けて協力していくことを合意した。

経済フォーラムでは、ムハンマド皇太子と習国家主席立ち合いの下、16の合意・覚書(添付資料参照)を締結した。そのほか、ドバイの不動産開発大手エマール・プロパティーと北京大興国際空港の間で405億ディルハム(約1兆2,150億円、1ディルハム=約30円)規模の空港内の住宅・レジャーエリア開発プロジェクトに関する合意や、アブダビ国営石油公社(ADNOC)と中国海洋石油集団とのアブダビでのサワーガス開発などを含む連携合意などが締結されている。4月にムハンマドUAE副大統領兼首相兼ドバイ首長が訪中した際にも、合計340億ドル規模の2つの覚書を結んでいる(2019年5月10日記事参照)。

(山本和美)

(アラブ首長国連邦、中国)

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