ジョンソン英首相、10月31日のEU離脱を強調

(英国)

ロンドン発

2019年08月28日

英国のボリス・ジョンソン首相は8月26日、G7首脳会議が実施されたフランス南西部のビアリッツで記者会見を行い、海洋動物保護のための海洋環境保全に向けて700万ポンド(約9億1,000万円、1ポンド=約130円)を拠出することや、女児への教育が十分でない国・地域での教育提供の重要性、イランの核兵器保有への反対、デモが過激化している香港の情勢に対する懸念などを述べた。

その後の質疑応答では、英国のEU離脱(ブレグジット)に関する質問が殺到した。ジョンソン首相は10月31日に確実にEUを離脱するとの立場を明確にした上で、英国はブレグジット後について考える時期にあるとし、離脱後の投資の促進や新たな自由貿易協定(FTA)は英国にとって大きな機会になるとした。

英国議会で反対が多い北アイルランドの国境管理の厳格化を回避するバックストップ条項については、英国がEUの関税同盟に縛られ、影響を与える権利がないままEUの法に従わなければならないため、非民主主義的だと述べた。一方、離脱後の米国との貿易協定については、英国の機会を最大限にできないような早急な合意は望まず、サービス産業などを含んだ包括的な協定が望ましい、と慎重な姿勢を見せた。ジョンソン首相とドナルド・トランプ米大統領は8月24日に夕食をともにしたほか、トランプ大統領は翌25日、ブレグジットに関する助言はあるかという記者の質問に対し、「ジョンソン首相にアドバイスは不要。彼は(ブレグジットの)仕事に適切な男だ」と評価し、米国は英国と非常に大規模な貿易協定を合意するだろうと述べた。

(鵜澤聡)

(英国)

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