香港の第2四半期のGDP成長率は0.6%と横ばい

(香港)

香港発

2019年08月09日

香港特別行政区政府(以下、香港政府)統計処は7月31日、2019年第2四半期(4~6月)の香港の実質GDP成長率の推定値(注)を前年同期比0.6%と発表した。2009年第3四半期(マイナス1.7%)以降で最も低い成長率となった前四半期(1~3月)から横ばいとなった(図参照)。

図 香港の実質GDP成長率の推移(四半期ベース)

個人消費支出は前年同期比1.2%増で、前期(0.4%増)から0.8ポイント上昇した。政府消費支出は4.0%増となったが、前期(4.5%増)より増加幅は縮小した。固定資本形成は12.1%減と、前期(7.0%減)から5.1ポイント低下した。

財輸出は5.4%減と、前期(3.7%減)より1.7ポイント低下。財輸入も7.0%減と、前期(4.2%減)より2.8ポイント低下した。サービス輸出は0.2%増で、前期(0.8%増)より0.6ポイント縮小した。一方、サービス輸入は1.7%増と、前期(1.5%減)より3.2ポイント上昇し、プラスに転換した。

香港政府は、第2四半期のGDP成長率が第1四半期に引き続き低迷した理由について、「外需がさらに落ち込み、内需も弱かった」と分析している。このほか香港政府は、世界経済の成長鈍化や米中貿易摩擦などの影響に伴う財およびサービスの輸出鈍化に加え、世界経済などの下振れリスクの高まりが香港の消費および投資マインドに大きく影響したと指摘している。

香港政府は、8月16日に修正後のGDP成長率およびその他の経済分析の結果を公表する。

(注)香港政府は、足元の経済動向の早期把握などを目的に、GDP成長率の推定値の公表を2019年第1四半期から開始した。

(吉田和仁)

(香港)

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