米連邦検事当局、関税回避の中国アルミニウム製造大手を起訴

(米国、中国)

ロサンゼルス発

2019年08月02日

米カリフォルニア中部地区連邦検事局は7月31日、アルミニウム製品を米国に輸入する際、関税合計18億ドルを不当に免れていたとして、中国アルミニウム製造大手の忠旺集団(Zhongwang Group、本社:遼陽市)と同社の劉忠田前社長兼会長らを共謀罪、電子通信を用いた詐欺、税関への虚偽申告などで起訴したことを発表した。

起訴状によると、被告人らは、2011年に米国が一部の中国製アルミニウム製品に課した最大400%のアンチダンピング(AD)関税を避けるため、アルミニウム製品の一部を溶接することで、関税が適用されない「パレット(荷役台)」と偽装して輸入したという。2011年から2014年にかけて、ロサンゼルス港およびロングビーチ港を通じて約220万個の偽装したパレットを輸入したとされる。

輸入アルミニウム製品は、被告人である劉前社長兼会長が支配権を持つ米国内関連会社に販売したとされていたが、実際には南カリフォルニアの倉庫に保管されたままだった。被告人らは会社の売り上げや利益を不当に水増しすることで世界中の投資家を欺くとともに、実際は販売されていない製品への支払いのために、ペーパーカンパニーを用いて何億ドルも資金調達し、マネーロンダリングが行われた疑いも指摘されている。

(北條隆)

(米国、中国)

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