天津市の上半期GRP成長率は4.6%、インフラ投資は大幅増

(中国)

北京発

2019年08月08日

天津市統計局は7月19日、2019年上半期の経済概況を発表した。域内総生産(GRP)の実質成長率は4.6%で、第1四半期(1~3月)の4.5%から0.1ポイント、前年通年から1.0ポイントそれぞれ上回ったものの、全国平均(6.3%)を大きく下回った(表参照)。天津市は1999年から2014年まで2桁の成長を遂げていたが、近年は成長率の鈍化が目立つ。

表 天津市2019年上半期の主要経済指標

天津市は、上半期のGRP成長率を発表している省・市・自治区の中の暫定で最下位となっている(8月5日時点)。これに関して、天津市統計局は「天津市の経済が質の高い発展へ転じている中で、主要経済指標が変動するのは正常な動きだ。天津市の経済には発展の基礎と潜在力があることに変わりはない」と述べた。

工業生産額(一定規模以上の企業対象、付加価値ベース)は前年同期比3.3%増だった。業種別にみると、製造業のうち、鉄道など運輸設備(19.1%増)、医薬(18.9%増)、専用設備(18.2%増)、電気機械・器材(16.0%増)、自動車(11.7%増)が2桁増となった。生産量で増加が目立ったのは、新エネルギー車(前年同期の41.8倍)、アルミニウム材(53.2%増)、サービスロボット(42.3%増)、産業用ロボット(40.0%増)、鋼材(16.1%増)だった。

固定資産投資総額は前年同期比17.4%増となり、全国(5.8%)を大きく上回った。うち、民間投資は14.4%増で市の投資総額の46.4%を占めた。産業別では、製造業のうち、食品が前年同期の5.1倍、医薬が2.6倍、電気機械・器材が2.1倍となった。また、インフラ投資は25.4%増で、全国(4.1%)を大きく上回った。天津と北京大興国際空港を結ぶ連絡線や濱海国際空港第3ターミナルの建設、天津~河北省(石家荘)間の高速道路の一部区間の建設、市内の地下鉄の建設などが行われた(「人民網」8月5日)。

消費動向を示す社会消費品小売総額は発表されていないが、天津市統計局は、一定規模以上の企業の新エネ車販売額が43.4%増となったほか、インターネット小売総額が安定的に増加しているとしている。

(趙薇)

(中国)

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