海南省、1~6月のGRP成長率は5.3%、自動車販売は不振

(中国)

広州発

2019年08月07日

海南省統計局の7月17日の発表によると、2019年1~6月の域内総生産(GRP)の成長率は5.3%、総額は2,668億9,600万元(約4兆34億円、1元=約15円)となった。成長率は前年同期より0.5ポイント減少した(図参照)。

図 海南省のGRP成長率〔前年(同期)比〕

産業別の成長率は、第一次産業が2.8%増、第二次産業が4.4%増、第三次産業が6.5%増だった(表参照)。

表 海南省の2019年1~6月の主要経済指標

不動産投資は3割減、自動車市場は不況

項目別では、固定資産投資が前年同期比23.0%減(前年同期から18.2ポイント減)と減少した。うち、第一次産業は56.7%減、第二次産業は11.3%減、第三次産業は23.8%減だった。不動産開発投資は31.4%減(23.6ポイント減)だった。

社会消費品小売総額は前年同期比4.2%増(5.2ポイント減)の884億3,900万元だった。海南省政府は2018年8月、大気汚染防止を目的とした「海南省小型乗用車保有量コントロール管理弁法」を施行した(2018年8月6日記事参照)。乗用車の新規登録が抑制された結果、自動車の小売販売額は19.5%減となり、社会消費品小売総額の伸び率を2.7ポイント引き下げた。

一定規模以上(注)の工業企業の付加価値額は4.5%増(0.5ポイント増)だった。

貿易額と外資投資は大幅増

貿易額は前年同期比45.6%増(51.2ポイント上昇)の455億6,000万元で、うち輸出が46%増(65.3ポイント上昇)の164億5,000万元、輸入が45.4%増(40.9ポイント上昇)の291億1,000万元だった。

税関統計によると、貿易相手国・地域別では、ASEANとの貿易額は54.8%増の126億9,000万元、米国は40.3%増の89億5,000万元、EUは41.9%増の71億5,000万元、オーストラリアは6.6倍の34億7,000万元、日本は95.4%増の17億3,000万元だった。

商品別でみると、輸出では、石油製品が84%増の83億2,000万元と輸出額の50.6%を占め、伸び率を33.7ポイント引き上げた。輸入では、航空機が前年同期比1.3%減の60億2,000万元で、化粧品は62.1%増の27億4,000万元だった。

対内直接投資新規プロジェクトは163件と、前年同期比117件増加した。対内直接投資額(実行ベース)は前年同期比3.6倍の1億6,100万ドルだった。

海南省統計局の王淵副局長は1~6月の経済について、「全体的に安定しており、安定の中で改善に向かっている。一方で、経済の下振れリスクは強まり、国内外の経済環境は複雑で不確実な要素が多い」とした。

(注)主要業務収入が2,000万元以上の卸売業、500万元以上の小売業の法人、主要業務収入が2,000万元以上の工業企業法人など。

(郭冬梅)

(中国)

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