昇給率は3.32%、シンガポール日本商工会議所が賃金調査結果を公表

(シンガポール)

シンガポール発

2019年07月04日

シンガポール日本商工会議所(JCCI)は6月25日、「2019年JCCI賃金調査」の結果を公表し、2018年の昇給率実績(平均)は3.32%と、前年調査時の予測(3.28%)を上回った。2019年の予測昇給率は3.34%だった。

2018年の昇給率実績を職種別にみると、「一般事務・スタッフ」が3.26%と、前年調査(3.36%)より0.1ポイント下落した。管理職(3.43%)、専門職・非営業(3.45%)、同・営業(3.74%)、オペレーター(3.71%)では前年調査より上昇した。法人会員8部会の部会ごとに結果をみると、「観光・流通・サービス部会」は、前年(3.96%)からは下降したものの、3.87%と最も高く、繊維、化学、食品などが所属する「第二工業部会」が3.82%と続いた。2019年予測では、「第二工業部会」が2018年実績を0.6ポイント上回る4.42%で最も高かった。

2018年の採用率(当該年の採用者数を従業員数で割ったもの)は18.9%で、前年調査(16.7%)から上昇した。特に「観光・流通・サービス部会」が31.7%と最も高く、前年調査より5.5ポイント上昇した。他方、離職率(離職者数を従業員数で割ったもの)は横ばいの18.1%だった。採用率が離職率を上回る結果となった。

景気動向に関する設問では、売り上げおよび営業利益ともに、2020年に「改善する(1%以上成長する」」と回答した企業は、いずれも4割を超えた。2019年はシンガポール貿易産業省(MTI)が実質GDP成長率の下方修正を行うなど、景気の低迷が懸念されているものの、翌2020年に向けての改善に期待がうかがえた。

賃金調査はJCCI法人会員(注1)を対象に毎年行っているもので、今回は4~5月に実施。会員企業740社を対象とし、338社が回答した。2019年版の賃金調査結果報告書は、8月ごろより詳細な情報を記載し、販売開始予定(注2)。

(注1)法人体系を有している企業が対象で、駐在員事務所は対象外。

(注2)詳細はシンガポール日本商工会議所ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを参照。

(南原将志)

(シンガポール)

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