広東・香港・マカオベイエリア計画遂行への実施意見を発表

(中国)

広州発

2019年07月30日

中国共産党広東省委員会と広東省政府は7月5日、「『広東・香港・マカオグレーターベイエリア発展計画綱要』の遂行貫徹に関する実施意見」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。2月に発表された同綱要(2019年2月20日記事参照)について、さらに具体的な実施内容を打ち出したもの。

意見では、実施に当たっての原則として、(1)一国二制度、(2)新発展理念、(3)改革・イノベーション、(4)相互利益・ウィンウィンの4点を堅持するとした(添付資料の表1参照)。

発展目標として2020年、2022年、2035年までに目指すべき姿を示した。2022年、2035年については、綱要でも既に示されているが、2035年に関しては表現が異なる(添付資料の表2参照)。

国際的イノベーションセンター建設など9項目を目標

具体的な内容としては、(1)空間的発展枠組みの向上、(2)ベイエリアの波及・先導作用の強化、(3)国際的科学技術イノベーションセンターの建設、(4)現代的インフラシステムの構築、(5)国際的競争力を備えた現代的産業システムの共同構築、(6)生態文明建設の推進、(7)居住・就業・旅行に適する優れた生活圏の構築、(8)全面的開放の新たな局面形成の加速、(9)広東・香港・マカオ協力発展プラットフォームの構築が挙げられている(添付資料の表3参照)。

筆頭に挙げられている空間的発展枠組みについて、「香港・深セン市、広州市・仏山市、珠海市・マカオという『強者連合』の先導作用の強化」がうたわれており、3組の都市間協力は「極点(発展しているベイエリア内の都市)の先導作用を突出させることで、その他の都市へ影響を与え、バランスの取れた発展を実現することができる」との見方がある(「21世紀経済報道」7月9日)。

また、中山大学広東・香港・マカオ発展研究員の毛艶華教授は、実施意見の重要な点として「広東・香港・マカオ3地域の比較優位と、ベイエリアの中心都市と中継地点の都市の優位性をさらに発揮し、広東省の都市機能分担とエリアの空間的最適化問題を解決し、かつ香港・マカオを国の発展の大局へ融合させることへの支援」を挙げた(「南方日報」7月12日)。

(河野円洋)

(中国)

ビジネス短信 8dc28c6e78035fc5