ジョコ大統領の再選が正式決定、国民の融和を呼び掛け

(インドネシア)

ジャカルタ発

2019年07月02日

インドネシア選挙管理委員会(KPU)は6月30日、4月に投開票された大統領選挙に関して、ジョコ・ウィドド氏を当選者として正式に確定した。大統領選挙に関しては、対立候補で最大野党党首のプラボウォ・スビアント氏が、開票プロセスにおいて大規模な不正があったとして、憲法裁判所に申し立てていた(2019年5月29日記事参照)が、6月27日に棄却された。これにより、現職のジョコ大統領が、引き続き2024年まで大統領職を担うこととなった。

憲法裁判所は当初、6月28日に判決をする予定だったが、直前に日付を繰り上げ、27日に判決を行った。同日午後9時ごろに異議申し立ての棄却が告げられると、プラボウォ氏が記者会見を行い、「憲法裁判所の判決を尊重する」との声明を発表した。続いてジョコ大統領が会見し、「これで、国民の間に1(ジョコ支持派)、か2(プラボウォ支持派)かはなくなった。あるのはインドネシア国民の統一だ」と述べ、国民の融和を呼び掛けた。翌28日、G20サミットに参加したジョコ大統領は「各国首脳から大統領当選の祝辞をいただいた」とツイッターに掲載し、自身の勝利を強調した。30日には、KPUが開いた当選者確定の式典で「プラボウォ氏にも、一緒に国を築くよう呼び掛ける」と発言し、融和姿勢を繰り返した。

大統領選挙をめぐっては、ジョコ氏とプラボウォ氏の支持者間の対立が先鋭化し、5月22日にはプラボウォ支持派のデモ隊の一部が警察部隊と衝突し、投石や車・二輪車に放火するなどの騒乱が発生した。その後、憲法裁判所の審議において、大きな混乱は発生しなかったが、判決日にはプラボウォ支持派が道路を占拠するかたちで集結した。6月末に、「コンパス」紙が行った世論調査では、回答者の8割超が今後6カ月で国民の融和に取り組むべきと答えるなど、国民融和が差し迫った課題となっている。

(山城武伸)

(インドネシア)

ビジネス短信 722bff86473d5c32