瀋陽市、イノベーション企業が入居する「首府科創パーク」開設

(中国)

大連発

2019年07月19日

瀋陽市でユニコーン企業やイノベーション分野のリーディングカンパニーが入居する「首府科創パーク」が開業したことが明らかになった(遼寧省政府ウェブサイト7月1日付)。

瀋陽市政府は中国の不動産大手の万科と連携し、イノベーション企業が集積する皇姑区にこのパークを開設した。アリババクラウドなどイノベーション分野で先行する20社・団体が入居する予定のほか、「スマートシティー」や「スマートコミュニティー」分野のスタートアップ企業を呼び込む方針だ(表参照)。投資総額は100億元(約1,600億円、1元=約16円)を見込む。ガゼル企業(高成長を続ける中小企業)など将来性のある企業に対しては、50万元の補助金を支給するとしている。

表 「首府科創パーク」への入居予定企業と事業内容

中国政府が2015年6月に「大衆創業、万衆創新(大衆による起業、万人によるイノベーション)」政策を打ち出し、遼寧省では瀋陽市と大連市が2016年4月に、国家級自主イノベーションモデル区の認定を受けた。

瀋陽市は2017年5月、イノベーションエコシステムの構築に向け、「瀋陽市イノベーション創出3年アクションプラン(2017~2019)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を公表した。瀋陽市は、設備製造業や航空産業、産業用ロボット、遠隔医療、電子商取引(EC)などの分野のスマート化を中核に据え、インキュベーション施設の拡充、人材育成、資金調達を強化しながら、2019年末までに以下の各指標を達成することを目標に掲げている。

  • スマート設備製造業の売上額が設備製造業全体に占める割合を38%とする。
  • イノベーション創出による付加価値額が工業付加価値額に占める割合を70%とする。
  • 新設のスタートアップ企業数を200社以上とする。
  • オープンスペースやインキュベーション施設を新たに30万平方メートル追加する。
  • 特許取得数を1万人当たり25件とする。
  • R&D支出が域内総生産(GRP)に占める割合を3%超とする。

さらに6月には、瀋陽市政府がテンセントと覚書(MOU)を締結した。瀋陽市でEスポーツ、モバイルペイメント、新メディアを用いたスマートシティー構築に向け、「テンセントデジタル経済イノベーション応用モデル区」を設置する。

(李莉)

(中国)

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