第1四半期のデジタル産業向け外国直接投資、前年通年を上回る

(タイ)

アジア大洋州課

2019年07月12日

タイ投資委員会(BOI)は、2019年第1四半期(1~3月)のデジタル産業向け外国直接投資額(申請ベース)が、2018年通年を既に上回る41億9,500万バーツ(約146億8,250万円、1バーツ=約3.5円)になったことを明らかにした。BOI東京事務所が7月10日、都内で開催した投資セミナーで発表した。

2018年のデジタル産業向け外国直接投資額は、31億2,300万バーツで、欧州からが19億900万バーツと3分の2近くを占めていた。2019年第1四半期は、ASEANからの投資が40億5,200万バーツと97%に上った。

タイは、「中進国のわな」に陥ることなく今後も安定的な経済成長を遂げるために、国の産業高度化に向けたビジョン「タイランド4.0」を掲げる。さらに、タイ東部の臨海工業地帯を東部経済回廊(EEC)に指定。同地域へのデジタル技術をはじめとした高度な産業の集積を目指し、進出企業には積極的な恩典を付与している。例えば、EEC内のデジタル産業向けの経済特区「EECd」で、企業アプリケーションソフトウエア開発などに投資した場合、基本恩典の5年に加え、2年の法人所得税が免除され、さらにその後5年間、法人所得税が50%減免される。

デジタル経済振興庁(DEPA)のナッタポン・ニムマーンパチャリン所長はセミナーで、「わが国としては、外国からの高度な技術を持つ企業を受け入れ、国内の経済発展を遂げることで、ASEANをリードしていきたい。EEC内に設立するデジタルパークに、デジタルを中心とした技術を持つ企業の進出を期待する」と、デジタル分野における日本企業の積極的な投資を呼び掛けた。

(上田弘大)

(タイ)

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