恒大集団、瀋陽に1兆9,000億円投じ、新エネ車生産拠点を建設へ

(中国)

大連発

2019年06月27日

中国の不動産大手の恒大集団は6月15日、瀋陽市政府との間で、新エネルギー車(NEV)生産拠点の建設など、多分野の協力強化を定めた戦略的協力枠組み協議(協定)を締結した。今後、1,200億元(約1兆9,200億円、1元=約16円)を投じ、瀋陽市にNEV関連の生産拠点を3つ建設するとしている。NEV完成車の生産と研究開発拠点の立地として渾南区、ホイールモーターの生産・研究開発拠点と動力電池の工場として鉄西区が選定された。

恒大集団はNEV分野への参入を長期発展における重要な取り組みと位置付けている。2018年9月に自動車販売事業などを手掛ける広匯汽車の41%の株式を取得したほか、スウェーデンの高級車メーカーのケーニグセグとの合弁会社設立、上海卡耐新能源の58%の株式取得、泰特機電の70%の株式取得、英国のインホイールモーター製造企業Proteanの買収などにより、完成車の研究開発・生産能力や動力電池技術、ホイールモーター技術を獲得し、NEV関連の産業チェーンを整備した。さらに、6月11日には広州市政府との間で、NEV生産拠点の建設などに関する戦略的協力枠組み協議を締結した(2019年6月24日記事参照)。

瀋陽市は、設備製造業の強固な基盤と関連する部品の供給能力を有し、BMW、ゼネラルモーターズ(GM)、ルノーなど外資系完成車メーカーが進出している。瀋陽市政府は2018年11月25日、「瀋陽市の新エネルギー車推進の加速と産業の拡張化・有力化に関する実施計画」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを制定・公布し、2020年までに2万台のNEVを普及させ、30万台のNEV生産能力を確保することを目標に掲げた。さらに、関連の投資を呼び込むため、完成車メーカーや中核となる部品メーカーによる生産拠点新設・技術改造・拡張建設などに対し、建設期間内に実行した固定資産投資額の5%を補助金として支給するなどの支援策も明記された。

(李穎)

(中国)

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