5月の自動車販売、乗用車は引き続き2桁減

(インド)

ベンガルール発

2019年06月21日

インド自動車工業会(SIAM)は6月11日、5月の自動車統計を発表した。これによると、乗用車販売台数〔多目的車(UVs)とバンを含む〕は、前年同月比20.5%減の23万9,347台にとどまり、4月に続いて2桁減、また直近18年間で最大の減少率となった。一般乗用車は26.0%減の14万7,546台、UVsは5.6%減の7万7,453台、バンは27.1%減の1万4,348台と、各セグメントで回復の兆しが見えない状況が続いている。SIAMは5月の販売について、「各メーカーが値引きキャンペーンなどを行ったものの、保険料の引き上げ、燃料価格の上昇、自動車ローンを扱う金融機関の貸し渋りなどの悪影響が続いている」と指摘した。

メーカー別の一般乗用車の月間販売数は、首位のマルチ・スズキが前年同月比24.4%減の9万121台、2位の現代自動車は22.2%減の2万6,328台と、ともに大幅減少となった。また、主要メーカー13社がマイナス成長となった。

二輪車の販売台数は前年同月比6.7%減の172万6,206台にとどまり、2018年12月以降マイナス成長を続けている。スクーターの販売台数は前年同月比7.9%減の51万1,724台、オートバイも4.9%減の116万2,373台となったが、減少率は先月に比べてそれぞれ縮小した。メーカー別のオートバイ月間販売数は、首位のヒーローが前年同月比7.0%減の59万2,771台、3位のホンダは7.6%減の17万7,363台だった。一方、2位のバジャージは6.8%増の20万5,721台とプラス成長を維持した。

商用車(前年同月比10.0%減の6万8,847台)と三輪車(前年同月比5.8%減の5万1,650台)を含む5月の自動車総販売台数は、8.6%減の208万6,358台だった。今後の見通しについて、SIAMは「燃料価格の上昇などが今後も影響し、需要低迷が長引く可能性が高い」とした。また、政府に対し、自動車に適用される物品・サービス税(GST)を現在の28%から18%に引き下げるなどの消費刺激策を実施するよう要請した。

(ディーパック・アナンド)

(インド)

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