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連邦政府、行政違反法令の刷新コンセプト公表

(ロシア)

欧州ロシアCIS課

2019年06月13日

ロシアでは、国・地方自治体による管理監督活動の抜本的見直し作業(2019年6月6日記事参照)と同時並行で、行政違反に関する法令の刷新作業が進められている。運用の不透明性の排除や罰則内容の軽減を通じ、処罰より予防に誘導する方向だ。連邦政府は6月10日、新しい行政違反基本法のコンセプトを公表した。本コンセプトは、2019年4月に創設された省庁間作業グループ(2019年4月11日記事参照)が策定し、6月5日に開催された連邦政府会合で、メドベージェフ首相に承認されたもの。

現行の行政違反基本法は2001年に策定され、保健・衛生、環境保全、工業・建設・エネルギー、農業・検疫、交通、輸送、通信、企業活動、金融、税務、関税、出入国管理など幅広い分野の法令違反について、処罰内容から責任追及手続きに至るまで広範な内容を規定している。他方、状況・事情を考慮して弾力的に運用(処罰を軽減する)原則が欠如しており、例えば、通関分野では荷主の作成した通関申告書の内容に誤りがあった場合、修正申告をすべきだが、不正確な申告を行ったとして、申告作業を代行する通関代理人(ブローカー)が行政違反を問われる可能性があり、違反が確定すると代理人免許の更新ができなくなる恐れがあるため、(荷主の意思に反し)ブローカーが修正申告に消極的になるなど、手続き上の瑕疵(かし)を修正しにくい状況を生みだしていた。

このような課題への対処もあり、本コンセプトでは現行の行政違反責任法と異なる新しい点として、次の内容が盛り込まれている。a.全ての行政違反行為について、違反の性格と社会的損害の程度に応じてカテゴリー分けし、それに基づき、行政罰の執行期間と罰金額を決定、b.違反の対象となる行為の種類の削減、c.行政罰の最長執行期間の短縮化(最長2年。刑事罰の最短失効期間以下とする。ただし、法人は除く)、d.初犯の違反者に対しては処罰ではなく警告に軽減、e.違反の性格、損失原因、違反者とその家族の財産・家計状況を考慮した上での処罰の決定(違反者が違反しないよう予防を講じていたり、損害を修復・除去した場合には、処罰を最低額の罰金もしくは警告に軽減)、f.状況に応じた処罰執行の後ろ倒し、罰金の分割払い、対象となる行政罰の他の処罰への切り替えの導入、など。加えて、罰金の支払いなど処罰の執行に最大限の電子化を図るとしており、例えば、罰金1万ルーブル(約1万7,000円、1ルーブル=約1.7円)以下の場合は、違反者の銀行口座から自動的に罰金額を引き落とすことも盛り込まれている(「コメルサント」紙6月10日)。

英国の大手法律事務所ブライアン・ケーブ・ライトン・パイスナーのロシア法人の刑事責任追及保護部門長アントン・グショフ氏は、本コンセプトは行政違反法令の改革に向けたものだが、全てが明確に記述されていないとし、「現行法令で問題となっている、裁判や執行手続き面の課題解決に向けた内容が十分に盛り込まれていない」と述べている(「コメルサント」紙6月11日)

(齋藤寛)

(ロシア)

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