激化する米中貿易摩擦、中国政府の主要な対応

(中国、米国)

中国北アジア課

2019年06月05日

米国が中国原産の輸入品に関するリスト3(対中輸入額2,000億ドル相当)の追加関税率を5月10日から10%から25%に引き上げ、中国は6月1日から米国原産の輸入品に関するリスト3(対米輸入額600億ドル相当)の追加関税率を最大で25%に引き上げた(2019年5月13日記事5月14日記事参照)。なお中国は、2018年12月の米中首脳会談の合意に基づき、完成車および自動車部品計211品目の追加関税率の引き上げを2019年1月より暫定的に停止しているが、その措置は継続している(2018年12月21日記事2019年4月2日記事参照)。

また中国は、米国の貿易制限措置に対応しながら、自国のビジネス環境の改善につながる取り組みも強化している。具体的には、外国資本参入を禁止・制限する分野について定めた「外商投資ネガティブリスト(2018年版)」を改訂する(2018年7月2日記事参照)など、大幅な市場参入制限の緩和を実施した。さらに、外商投資法を制定し、強制的な技術移転を禁止する条項を設定し(2019年3月20日記事参照)、技術輸出入管理条例などを改正する(2019年3月20日記事参照)など、知的財産権保護の取り組みを強化しているものの、米国側の理解を得られていない。

これまでの米中貿易摩擦に関する中国政府の主な対応などについて、添付資料のとおり概要を整理した。

(宗金建志)

(中国、米国)

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