ペルーにおける父親層の消費傾向

(ペルー)

リマ発

2019年06月20日

ペルーの有力紙「ヘスティオン」紙(6月14日)によると、マーケティング調査会社Arellanoの調べでは、2018年のペルーにおける父親層(子供を持つ男性全般)の62%は社会階層B(22%)とC(40%)に属しているという(表1参照)。なお、ペルーの社会階層は、ペルー市場調査事業者協会(APEIM)が所得などの公式統計に加えて、生活環境を考慮した独自の非公開基準で定量化された階層分類を定めているもの。

表1 ペルーの父親が属する社会階層(都市部、2018年)

生活スタイルにおいては、48%が型破りな行動に出ない、いわゆる保守層に属し、40%は非保守層だという。これは、2017年と比較した場合、保守層が9ポイント増えており、就業機会の増加に伴って、企業に就職する堅実派の増加が反映されていると分析する。一方、非保守層は、自ら起業するなど自営業に属している人たちだ。また、消費傾向としては、43%が国内ブランドやサービスを選んでおり、対象商品としては食品、衣服、外食サービスなどがある。一方、ブランド名やトレンドと関係なく、28%が新商品を試してみたいと答えており、29%は新技術商品の購入に積極的だという。さらに、昇給した場合の給料の使途については、貯蓄や自宅の購入・増築など家庭に資する目的が中心だ。加えて、余暇を過ごす場所(複数回答)については、62%が親族と集まるとしており、47%は大型ショッピングセンターに行くと答えている(表2参照)。これについて、Arellanoは、前者は家庭用品や食事の宅配サービス、後者は買い物全般のほかにも外食や娯楽産業などの商機を生むとしている。

表2 ペルーの父親が余暇を過ごす場所

なお、別の調査会社GfKが行った小売業(電化製品)の調査(「ヘスティオン」紙6月13日)では、2019年の父の日キャンペーン期間中(5月27日~6月16日)の販売額は2年前(注)と比較して、35%増の3億1,000万ソル(約99億2,000万円、1ソル=約32円)になると予想している。そのため電化製品の小売各社は、平均20%以上の割引サービスを展開しており、特にテレビは前述キャンペーン期間中に10万台(1億1,100万ソル)の売れ行きを予想している(表3参照)。

表3 父の日の電化製品の販売割合

(注)2018年は、サッカー・ワールドカップ特需のため、比較対象年とされていない。

(設楽隆裕)

(ペルー)

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