MH州、2018年度成長率は前年度並みの7.5%を維持

(インド)

ムンバイ発

2019年06月27日

インドのマハーラーシュトラ(MH)州政府は6月17日、州経済調査報告書「Economic Survey of Maharashtra for 2018-19」を州議会に提出した。これによると、2018年度(2018年4月~2019年3月)の州GDP(GSDP)の実質成長率は7.5%(推計値)で、2017年度と同値となり、インド全体の実質GDP成長率の推計値(6.8%)を上回った。

MH州の実質GDP成長率を分野別にみると、2018年度の農業セクターの成長率が前年度比2.7ポイント減の0.4%、産業セクターが0.7ポイント減の6.9%となった。農業セクターの成長率の減速は、例年の7割ほどにとどまった2018年の降雨量が要因と報告書内は指摘している。一方で、サービスセクターは1.1ポイント増の9.2%となった。それぞれの分野の成長率の詳細をみると、前年度と比較して産業セクター内の「製造」は0.6ポイント減の7.1%と減速したが、サービスセクターの「金融・不動産・専門サービス」は1.8ポイント増の9.4%、「貿易・修繕・ホテル・飲食・輸送・倉庫・通信など」は0.5ポイント増の8.1%の成長率となった。

表 各種指標の実質成長率推移(推定値含む)

報告書の発表を受け、MH州政府のスディール・ムンガンティワール財務相は「農業セクターは降雨量の減少により成長率が低下したものの、貿易、ホスピタリティー、通信、金融、専門サービス産業などのセクターの成長率は前年度を上回りそうだ」とし、MH州の安定した成長力をアピールした(「タイムズ・オブ・インディア」紙6月18日)。一方で、同州では人口の5割以上が農業セクターに従事していることから、州政府は同セクターの成長率の低下が、今後3カ月以内に行われる予定の州議会選挙に与える影響を懸念している(「タイムズ・オブ・インディア」紙6月18日)。

(比佐建二郎)

(インド)

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