第2四半期の輸出指数悪化

(香港)

香港発

2019年06月24日

香港の貿易促進機関の香港貿易発展局(HKTDC)は6月10日、2019年第2四半期(4~6月)の輸出指数が前期比1.9ポイント下落し、37.3ポイントだったと発表した。米中貿易摩擦を背景とした先行き不透明感が香港の輸出指数に影響したとみられる。

輸出指数は香港の輸出企業の景況感を表す指標で、50ポイントを上回ると「輸出拡大」、50ポイント未満が「輸出縮小」を示す。

直近の動向では、2018年第4四半期(10~12月)の35.2ポイントを底に、2019年第1四半期(1~3月)は上昇に転じたものの、2019年第2四半期は再び下落に転じている。

特に、4四半期連続で50ポイントを下回った(図参照)。

図 輸出指数の推移(四半期ベース)

産業別にみると、第1四半期から落ち込んだのは、玩具(32.0ポイント、前期比9.4ポイント下落)、時計(30.9ポイント、4.6ポイント下落)、機械(38.9ポイント、3.3ポイント下落)、電子機器(37.8ポイント、1.9ポイント下落)だった(表1参照)。一方、上昇したのは、宝飾品(38.2ポイント、4.7ポイント上昇)と衣服(32.6ポイント、0.3ポイント上昇)で、2019年第1四半期に続き輸出マインドに改善が見られた。

表1 産業別輸出指数の推移

主要市場別にみると、日本は前期比1.6ポイント上昇の49.6ポイント、中国本土は1.7ポイント上昇の47.4ポイントと、いずれも回復した(表2参照)。米国は3.4ポイント下落の42.7ポイント、EUは0.6ポイント下落の46.8ポイントと、欧米市場に対する輸出マインドは悪化した(表2参照)。

表2 主要市場別輸出指数の推移

貿易摩擦の影響はないと回答した企業は過半数に

輸出指数と併せて、香港貿易発展局は米中貿易摩擦に関する調査結果を公表した。これによると、貿易摩擦によって「大いに影響を受けている」「わずかに影響を受けている」と回答した企業の割合は41.3%と、前四半期から7.2ポイント減少した。また、「影響を受けていない」とした企業は58.3%と、前期から9.8ポイント上昇した。具体的な影響の内容については、「受注減」と回答した企業が52.4%と最も多かったが、前期から16.6ポイント減少した。一方で、「中国本土からの調達先の変更」と回答した企業は36.1%で、前期から20.8ポイント上昇した。

(吉田和仁)

(香港)

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