第1四半期GDP成長率は2.0%、大統領選挙の影響受け減速

(ナイジェリア)

ラゴス発

2019年06月04日

ナイジェリア国家統計局は5月20日、2019年第1四半期(1~3月)の実質GDP成長率(前年同期比)は2.0%と発表した(添付資料参照)。2018年第2四半期(4~6月)から成長率は緩やかな加速を続けていたが、前期の2.4%からやや鈍化した。2~3月にかけて実施された大統領選挙をはじめとする一連の国政・地方選挙による混乱への懸念から、経済活動が伸び悩んだことが要因とみられる。また、ナイジェリア経済を左右する鉱業部門が、石油パイプラインの破損により主に1月に原油生産量が減少した影響で、引き続きマイナス成長を記録したことも指摘できる。

農業と不動産、建設業以外の各産業は前期に比べて軒並み減速しており、とりわけ金融・保険部門はマイナス7.6%となった。選挙による混乱を懸念した海外投資家が株式や金融商品の買い控えに走り、様子見だったことが影響したと考えられる。

大統領選挙は比較的平穏に終わり、現職のムハンマド・ブハリ大統領が政権を維持した。外貨準備高は選挙前に若干の減少傾向にあったものの、選挙後は持ち直し、5月27日時点で450億ドル台と順調に増加した。2016年10月に230億ドルまで減少した外貨枯渇の危機からは脱出したと言える。今後は、劇的な改善要因はない一方で大きな減速リスクもない中、引き続き緩やかな経済成長が期待される。

(山村千晴)

(ナイジェリア)

ビジネス短信 2b73033a1d596172