上海協力機構サミット開催、地方間協力・経済協力に活動を拡大

(ロシア、中国、ウズベキスタン、CIS)

欧州ロシアCIS課

2019年06月17日

キルギスの首都ビシュケクで6月13、14日、上海協力機構(SCO)サミットが開催され、11カ国の元首・首脳が参加した。当初、地域の安定を目的に創設された同機構だが、近年では活動の範囲を地方自治体間交流や経済分野に広げている。

サミットには、加盟国からインド、カザフスタン、中国、キルギス、パキスタン、ロシア、タジキスタン、ウズベキスタン、オブザーバー国からベラルーシ、イラン、モンゴル、合計11カ国の首脳が参加。サミットでは、地域(加盟国域内、アフガニスタン、シリアなど)の平和と安定に関する分野のほか、経済関連や文化交流関連など広い分野にテーマがわたった。経済分野では、a.WTOの重要性維持と機能強化、b.各国通貨による相互決済の推進、c.反腐敗対策分野での協力など、2018年10月に開催された政府首脳評議会会合(2018年10月15日記事参照)の内容を、あらためて確認するかたちとなった。

サミットに合わせて22の文書が署名され、a.麻薬・違法薬物対策、b.加盟国地方自治体間の交流推進、c.デジタル・IT、d.環境などの分野での加盟国間の協力を目指すほか、国連関連機関、カザフスタン政府が振興する国際金融センター「アスタナ」、ユーラシア経済委員会(注)などとの協力・相互理解に関する覚書が締結された。

地域間交流に関し、ロシアのプーチン大統領が2020年初めにSCO加盟国の地方首長によるフォーラムを開催することを提案したほか、ウズベキスタンのシャフカト・ミルジヨエフ大統領はSCOの枠組みでの経済フォーラムの(自国・サマルカンドでの)開催を提案している。

2020年のSCO議長国はロシア。プーチン大統領は、次回サミットを2020年7月22~23日にロシアのウラル連邦管区チェリャビンスク市で開催することを発表している。

(注)ユーラシア経済連合(EEU)の事務局。

(高橋淳)

(ロシア、中国、ウズベキスタン、CIS)

ビジネス短信 29cd3565d8f69e97