4月の小売売上高、自動車・同部品が最大の押し下げ要因

(米国)

ニューヨーク発

2019年05月23日

米国商務省の速報(5月15日付)によると、4月の小売売上高(季節調整値)は前月比0.2%減の5,134億ドルとなった(表参照)。変動の大きい自動車・同部品を除くと、0.1%増の4,091億ドルだった。なお、3月の売上高は1.6%増(速報値)から1.7%増に上方修正された。

表 業種別小売売上高(季節調整済み)

JPモルガンのエコノミストであるマイケル・フェローリ氏は「マイナスとなった原因が何であったとしても、消費者を取り巻く状況は依然としてかなり良い状態にある」と指摘した一方で、「第2四半期は波乱の幕開けとなり、4月の実質消費は0.2%減だったと推計している」と述べた(ロイター5月15日)。

自動車・同部品や建材・園芸用品などが押し下げる

業種別にみると、自動車・同部品が前月比1.1%減の1,043億ドルと、前月の3.2%増から減少に転じ、全体を最も押し下げた。次いで、建材・園芸用品が1.9%減の324億ドル、家電が1.3%減の80億ドルだった。

一方で、ガソリンスタンドが前月比1.8%増の439億ドルと、全体を最も押し上げた。次いで、フードサービス(0.2%増、615億ドル)が押し上げ要因となった。

民間調査会社コンファレンスボードが4月30日に発表した4月の消費者信頼感指数は129.2と、3月(124.2)より5.0ポイント上昇した。内訳をみると、現況指数は168.3(3月:163.0)と5.3ポイント上昇し、6カ月先の景況見通しを示す期待指数は103.0(98.3)と4.7ポイント上昇した。

コンファレンスボードの経済指標シニアディレクターであるリン・フランコ氏は「消費者信頼感指数は4月には3月の落ち込みから部分的に回復したが、依然として昨年秋の水準を下回っている」と述べた。見通しについては、「消費者は、全体として経済が夏季にかけて堅調なペースで成長を続けると予想」しており、「こうした高水準の消費者マインドは当面の間、消費支出を支え続けるはず」と指摘した。

(樫葉さくら)

(米国)

ビジネス短信 f66bbc887204de7a