ASEANシングルウィンドウ(ASW)利用が進む

(ベトナム)

ホーチミン発

2019年05月17日

ベトナムでは、ASEAN内の貿易関連手続きの電子化などを進めるASEANシングルウィンドウ(ASW)の利用が進んでいる。ベトナムは2018年1月から、ASEAN物品貿易協定(ATIGA)の電子版の原産地証明書(e-C/O)「フォームD」の交換を4カ国(インドネシア、マレーシア、シンガポール、タイ)との間で開始しており、その後、2カ国(カンボジア、フィリピン)と実施に向け試験運用を行ってきた。4月1日には、ブルネイとも交換できるようになった。 今後、電子版でのASEAN税関申告書類、植物防疫証明書(ePhyto)、動物検疫証明書(e-AH)の発給に向けた試験運用も行う見込みだ。さらに、税関総局(注)は、農業農村開発省植物保護局に対し、インドネシアとの電子版での動物検疫証明書の試験交換を7月1日から行うための準備調整を提案した(「政府オンラインニュース」4月29日)。 

ベトナムのe-C/O「フォームD」の利用状況について2018年は、前述4カ国から5万9,000件以上を受信(輸入時)、約9万9,000件を送信(輸出時)した。1月1日~3月19日の間は、1万533件を受信、2万3,262件を送信した。インドネシアとの間が最も件数が多い。タイ間では、受信実績はゼロだが、送信実績は9,773件だった。(「政府オンラインニュース」1月7日および4月3日、「税関オンラインニュース」4月18日)

また、税関総局は各地方税関にASWを経由するe-C/O「フォームD」の審査について、(1)データと紙の両方を提出する必要はないこと、(2)データと紙両方提出の場合はデータを優先する(両者に違いがあれば要確認)、(3)ASWのシステムトラブル時は紙で対応するよう、指示している模様だ。

(注)税関総局は、ASEANシングルウィンドウ(ASW)・ナショナルシングルウィンドウ(NSW)・貿易円滑化国家運営委員会の常任機関。

(小林亜紀)

(ベトナム)

ビジネス短信 aff8245c72a13ac1