4月の自動車販売、乗用車、二輪車ともに2桁台の減少

(インド)

ベンガルール発

2019年05月21日

インド自動車工業会(SIAM)は5月13日、4月の自動車統計を発表した。これによると、乗用車販売台数〔多目的車(UVs)とバンを含む〕は、前年同月比17.1%減の24万7,541台にとどまり、2011年10月以来最大の減少率を記録した。一般乗用車は前年同月比19.9%減の16万279台、UVsは6.7%減の7万3,854台、バンは30.1%減の1万3,408台と、それぞれ大幅に減少した。SIAMは4月の販売について、「自動車ローンを扱う金融機関の貸し渋り、自動車保険の負担増や燃料価格の高騰などの悪影響が続いている。さらに、総選挙期間中の消費者心理が悪化していることも一因だ」とした。

メーカー別の一般乗用車の月間販売数は、首位のマルチ・スズキが前年同月比22.9%減の9万7,701台、2位の現代自動車は15.4%減の3万1,407台と、ともに大幅な減少となった。一方、ホンダは新型セダン「アメイズ」が好調で、69.4%増の9,333台となり、乗用車部門で引き続き最も高い伸び率を示した。ホンダを除き、主要メーカー13社中12社がマイナス成長となった。

二輪車の販売台数は、前年同月比16.4%減の163万8,388台にとどまり、2018年12月からマイナス成長を続けている。スクーターの販売台数は前年同月比25.9%減の48万9,852台、オートバイも11.8%減の108万4,811台と、それぞれ2桁減となった。メーカー別のオートバイ月間販売数は、首位のヒーローが前年同月比12.1%減の53万4,161台、3位のホンダは25.8%減の15万7,569台と、それぞれ大幅な減少となった。一方、2位のバジャージは2.6%増の20万5,875台とプラス成長を確保した。

商用車(前年同月比6.0%減の6万8,680台)と三輪車(7.4%減の4万6,262台)を含む4月の自動車総販売台数は、15.9%減の200万1,096台だった。

今後の見通しについて、SIAMは「前年から続く燃料価格の高騰などの影響で、自動車販売台数はしばらく伸び悩むが、総選挙の後、2019年下半期には需要が回復基調に入るだろう」との見方を示した。

(ディーパック・アナンド)

(インド)

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