福建省の1~3月GRP成長率は8.2%、米国との貿易額は減少

(中国)

広州発

2019年05月23日

福建省統計局の4月19日の発表によると、2019年1~3月の域内総生産(GRP)の成長率は前年同期比8.2%、総額は8,145億2,500万元(約13兆324億円、1元=約16円)となった。成長率は前年同期より0.3ポイント上昇した(図参照)。中国全体の伸びを1.8ポイント上回った。

図 福建省のGRP成長率〔前年(同期)比〕

産業別では、第一次産業が3.4%増の382億1,500万元、第二次産業が8.6%増の3,911億6,400万元、第三次産業が8.2%増の3,851億4,600万元だった(表参照)。

表 福建省の2019年1~3月の主要経済指標

不動産投資は大幅増

項目別では、固定資産投資額が前年同期比8.3%増(前年同期より5.5ポイント減)だった。うち、不動産開発投資は17.8%増(14.8ポイント上昇)の1,306億3,800万元だった。なお、民間投資は12.2%増(6.2ポイント減)で、外資投資は19.4%減(5.0ポイント減)となった。

社会消費品小売総額は前年同期比10.8%増(1.9ポイント減)の3,916億5,600万元だった。商品別では、自動車が5.1%増と前年同期(16.3%増)から大きく鈍化した。一方、新エネルギー車(注1)は3.2倍、スマートフォンは29.6%増となった。

一定規模以上(注2)の工業企業の付加価値増加額は8.9%増(1.0ポイント上昇)で、うち、電子情報が10.7%増、機械設備が9.4%増、石油化学が9.8%増だった。ハイテク製造業の付加価値増加額は全体の11.6%を占めた。

米国との貿易額は減少、リチウムイオン電池の輸出は大幅増

貿易額は前年同期比4.5%増(3.1ポイント減)の2,976億3,300万元で、うち輸出が10.2%増(1.9ポイント上昇)の1,842億1,600万元、輸入が3.6%減(10.2ポイント減)の1,134億1,800万元だった。

貿易相手国・地域別では、ASEANとの貿易額は6.9%増の551億4,000万元、EUは8.3%増の422億元だった。米中貿易摩擦により、米国との貿易額は14.9%減の400億500万元となったうち、米国からの輸入は58%減の58億200万元と大幅減だった。輸出のデータは公開されていない。

また、2019年1~3月の福建省のリチウム電池の輸出は前年同期比58.3%増の7億元となった。うち、EU向けは3.3倍の2億5,000万元、ASEAN向けは2.7倍の2億1,000万元だった。

福建省統計局は2019年1~3月の経済について、経済運営は合理的区間にあり、安定の中で成長へ向かうという状態が続いているとした。一方で、世界経済と国際貿易の伸びが鈍化し、外部環境の不確実な要素が多くなっており、経済の下振れ圧力が依然として大きいともしている。

(注1)電気自動車(EV)、プラグイン・ハイブリッド車(PHEV)、燃料電池自動車(FCV)の総称。

(注2)主要業務収入が2,000万元以上の卸売業、500万元以上の小売業の法人、主要業務収入が2,000万元以上の工業企業法人など。

(郭冬梅)

(中国)

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