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デジタルエコノミー実現に向けたプロジェクトや法整備、同時並行で進行

(シンガポール)

シンガポール発

2019年05月30日

シンガポールでは現在、ビジネスや生活のあらゆる側面でのデジタル化を目指したさまざまな取り組みや法整備が同時並行で進められている。政府は2014年11月から、「スマート国家(2017年6月5日記事参照)」構想の下で、最新の情報通信メディア技術を活用した豊かな暮らしとデジタル経済の実現を目指し、多様な実証事業やプロジェクトが行われている。また、この構想に基づいて情報通信省(MCI)は2018年5月、経済デジタル化に向けた計画の枠組みを示した「デジタルエコノミー行動フレームワーク」(注1)を発表した。

貿易管理プラットフォームや電子請求書など、経済活動のデジタル化進む

MCIは行動フレームワーク発表と同時に、国家共通の電子インボイス(請求書)の導入に向け、その共通規格として欧州の「汎(はん)欧州オンライン公的調達(PEPPOL)」の採用を発表(2018年5月28日記事参照)。MCIは1月から、同規格に基づく電子インボイスの運用を開始している。請求書の電子化は発注や支払いの事務作業の軽減と、コスト削減の実現を目指している。

貿易手続きの完全デジタル化に向けた動きも進んでいる。シンガポール税関は2018年9月から、包括的な貿易管理プラットフォーム「ネットワークド・トレード・プラットフォーム(NTP)」を開始している。既存の輸出入業者向けシステム「トレードネット」と「トレードエクスチェンジ」を統合して貿易手続きを一元化し、完全デジタル化を目指すものだ(2018年10月5日記事参照)。

さらに、スマート国家構想に基づくキャッシュレス化に向けた取り組みも官民共同で行っている。シンガポール銀行協会(ABS)は2018年8月、法人の個別企業登記番号(UEN)などを入力すれば、スマートフォンで即時決済できる「ペイナウ・コーポレート」を始めた(2018年8月15日記事参照)。

データ保護や電子化に対応した法規制を整備

スマート国家構想では、安全が保障されたデータを取引することが可能な一大拠点となることも目指している。これまでに省庁が持つ公開可能な統計、GPSなどからのデータやAPIを公開し、データを活用した新たなビジネスの展開を促している。このデータの保護に関しては、2013年1月から「個人情報保護法(PDPA)」(注2)が施行されている。MCI傘下の情報通信メディア開発庁(IMDA)と個人情報保護委員会(PDPC)は1月に、個人情報の保護体制が整う企業を認証する「データ保護認証(DPTM)」を導入している(2019年1月16日記事参照)。

また、2010年7月に施行された「電子取引法(ETA)」(注3)は、電子署名の法的有効性を認めるものだ。同法には、省庁がそれぞれの法律を改正することなしに、電子申請や電子書類を受理できるよう、乗り合い条項も盛り込まれている。IMDAは現在、ETAについて、検察庁(AGC)と共同で、船荷証券など他の電子書類も紙と同じ法的拘束力を持てる方向で見直しを行っている。

(注1)「デジタルエコノミー行動フレームワーク」は、MCI傘下の情報通信メディア開発庁(IMDA)のウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますからダウンロード可能。

(注2)シンガポールの個人情報保護法(“Personal Data Protection Act”、PDPA)についての詳細PDFファイル(597KB)

(注3)電子取引法(Electronic Transactions Act)について詳細は、IMDAのウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます参照。

(本田智津絵)

(シンガポール)

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