貴州省、外国資本を活用した高度経済発展推進に関する施策を発表

(中国)

成都発

2019年04月18日

貴州省政府は3月27日、「外国資本を活用した高度経済発展推進に関する意見(以下、意見)」を発表した。今回の意見は、貴州省が省レベルで対外開放を推進する上での方針となり、外商投資企業の省内経済活動への参入を促す狙いがある。

外商投資企業にも優遇策を適用

意見は6分野24条からなる。具体的には、(1)外国企業の市場参入制限の緩和、(2)減税およびコストダウン措置、(3)外国資本プラットフォームの創出、(4)政策支援体系の整備、(5)外商投資環境の向上、(6)当意見の推進のための体制強化、の6分野だ。

貴州省は、ビッグデータ関連産業、新医薬産業、文化観光、ハイテク設備製造などを重点産業としており、関連企業に優遇政策を適用しているが、今回の意見によって、これらの業種に従事する外商投資企業にも、同等の優遇政策が適用されることになった。例えば、過去に貴州省政府から、ビッグデータ関連業種向けの優遇措置に関する通知が出されている。基準を満たすビッグデータ関連の外商投資企業にも同通知が適用され、2年目までは企業所得税が免除され、3~5年目は法定税率25%の半分に当たる12.5%が適用されるとみられる。また、これらの業種に従事する外商投資企業には、政府調達案件への積極的な参加を認めるとした。

補助金に関しては、外商投資企業が貴州省内に設立した研究開発施設に、案件に応じて300万~500万元(約5,100万~8,500万円、1元=約17円)の補助金を支給する。新時代情報技術、スマート設備、生物医薬、新エネルギー、新材料などの業種で、投資額2,000万ドル以上の企業、またはフォーチュン・グローバル500企業、かつ5,000万ドル以上を投資した企業に対して、各投資案件に応じた奨励金を支給する。

2018年の貴州省のGDP成長率は9.1%と、中国全土31省市の中でも高い伸び率を記録した。2014年には、省都の貴陽市南部に中国国内で8番目の国家級新区となる貴安新区が新たに設置された。日本企業の同省への関心も高まりつつある。2019年に入り、日本の大手企業による同省の視察や、4月10日には日中青年企業家約160人によるマッチング商談会が開催されるなど、日本企業による貴州省訪問が続いている。

(寺田俊作)

(中国)

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