2018年のGDP成長率は4.0%、5年ぶりの高成長に

(チリ)

サンティアゴ発

2019年04月02日

チリ中央銀行の発表(3月18日)によると、2018年第4四半期の実質GDP成長率は前年同期比3.6%で、2018年通年では前年比4.0%と2013年(4.0%)以来5年ぶりの高成長となった(表1参照)。

表1 需要項目別実質GDP成長率〔前年(同期)比)〕

通年のGDPを需要項目別にみると、2018年は全ての項目でプラスを記録した。特に内需は4.7%増と好調で、マイナス成長が続いていた総固定資本形成が4.7%増となったことが寄与した。中でも、建設・その他の投資は前年のマイナス5.0%から2.7%へ、設備投資も1.5%から8.2%へと大幅に回復した。

輸出は銅、サーモン、果物の輸出増を背景に前年のマイナスからプラスに転じた一方、国内需要の増加に伴って輸入は伸びが加速した。

経済活動別にみると、農林業、鉱業、水産業が増加した(表2参照)。農林業の伸びは果物が影響している。サクランボ、ブルーベリー、プラムの輸出増が背景にあり、また天候に恵まれたため、ブドウの生産も好調だった。水産業は、第1四半期はマイナス成長だったものの、第2、4四半期に大きく伸びた。海藻などの収穫増や、アンチョビ、養殖サーモンの水揚げ増が背景にある。鉱業は2015年から3年連続で減少していたが、2017年に発生した鉱山でのストライキ終結による生産量のV字回復などにより、2018年は前年比5.2%増だった。なお、2019年のGDP成長率見通しについて、エコノミストらは平均3.4%と予想している。

表2 経済活動別実質GDP成長率〔前年(同期)比〕

(岡戸美澪)

(チリ)

ビジネス短信 3419ac581c8b1bc4