フンセン首相、「一帯一路」フォーラム参加で訪中へ

(カンボジア)

プノンペン発

2019年04月23日

カンボジア外務省は4月22日、中国・北京で4月25日に開催される第2回「一帯一路」国際協力ハイレベルフォーラムにフンセン首相が参加すると明らかにした。カンボジア外務省は、今回のフンセン首相の訪中の間に、中国からの援助や協力事業に係る書類が署名される見込みだとしている。

カンボジアへの中国資本の流入は最近、際立っており、3月22日には中国による建設・運営・移転(BOT)方式で建設される国内初の高速道路の起工式が、フンセン首相ら要人の出席の下で行われた。2023年に完成予定のこの高速道路は総工費約20億ドルで、プノンペン~シアヌークビル間の190キロを結ぶ。

そのほか、プノンペン新空港、シェムリアップ新空港、コッコン新空港の計画にも中国資本が入っている。プノンペン新空港は、プノンペン南部のカンダール州とタケオ州の境界付近、2,600ヘクタールの用地に建設される。民間による土地価格の高騰を避けるため、政府は既に土地売買を禁止している。

中国資本によるインフラ整備案件には、批判も多い。地元メディアは、高速道路の建設案件について、「通行料だけで投資額を回収できるか」と疑問視している。また、コッコン新空港は滑走路の長さが民間航空機の仕様を超えており、欧米諸国からは軍用空港ではないかと批判されている。

カンボジア政府はこうした批判に対し、メディアを通じて「中国の資金が流入することにより、領土の主権が喪失することの心配は無用だ」としており、国民に理解を求めつつ、中国との連携を深めていくとみられる。

(脇坂敬久)

(カンボジア)

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