スーダン暫定軍事評議会がエチオピアを訪問

(エチオピア、スーダン)

アディスアベバ発

2019年04月17日

スーダンのオマル・バシール大統領の失脚に伴い、4月11日に設置されたスーダン暫定軍事評議会(2019年4月16日記事参照)が4月15日にエチオピアを訪問した。同評議会を代表してガラレディン・アルシェイク軍司令官がアビィ・アハメド首相と会談し、スーダンの国内情勢を説明したほか、エチオピアとの関係が戦略的に重要だとし、暫定政権が統治する移行期間への支援を訴えた。

バシール大統領の失脚をめぐっては、アフリカ連合委員会が4月11日にムーサ・ファキ委員長名で、軍の加担を適切でないとし、法にのっとらないかたちでの政権交代を非難しつつも、国民の対話と平静を呼び掛ける声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。同日にエチオピア外務省は、スーダンの政治的独立と自治を尊重し、関係者による平和的解決を望むとしながら、スーダン国民の意思を理解・尊重する旨の声明を出していた。

エチオピアとスーダンは、エチオピア国内で建設が進むグランドルネッサンスダムをめぐり、エジプトとの3カ国間で水利権に関する議論を続けている(2018年6月15日記事参照)。また、エチオピアがスーダンに電力を販売する一方、2国間協定に基づきスーダンからガソリンを輸入しており、スーダンからのガソリン輸入量はエチオピアの需要の40~50%を占めるとされる。エチオピアとしては、3カ国間協議やガソリン供給への影響を避けるためにも、スーダンが混乱するのは避けたいところだ。

(関隆夫)

(エチオピア、スーダン)

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