1月の輸出額は前年同月比3.7%増、輸入額はほぼ横ばい

(インド)

チェンナイ発

2019年03月06日

インド商工省は2月15日、2019年1月の貿易統計(速報値)を発表した。輸出額は前年同月比3.7%増の263億6,000万ドル、輸入額は0.01%増の410億9,000万ドルとなった(図参照)。貿易収支は147億3,000万ドルの赤字で、前年同月の赤字額(156億7,000万ドル)より6.1%縮小した。

図  インドにおける輸出入額の推移

インド経済モニタリングセンター(CMIE)によると、輸出では、伝統的な輸出品目の石油製品と宝石・宝飾品以外の品目の輸出額は199億1,000万ドルで、前年同月比8.3%増加した(表1参照、注)。主な輸出品目では、医薬品・精製化学品が15.6%増、有機・無機農業化学品が15.1%増と伸びがみられた一方で、鉄金属・非鉄金属が10.2%減、鉄・鋼鉄が10.9%減となった。

表1 インドの主要品目別輸出(通関ベース)

原油・石油製品の輸入額は前年同月比3.6%減

輸入では、最大の輸入品目である原油・石油製品の輸入額は112億4,000万ドルで、前年同月比3.6%減少した(表2参照)。一方、原油・石油製品以外の輸入額は298億5,000万ドルで、1.5%増加した。主な輸入品目では、化学・化学関連品が13.9%増、金・銀が44.6%増と伸びた一方で、真珠・貴石が36.5%減、輸送機器が27.5%減、通信機器が26.5%減だった。

表2 インドの主要品目別輸入(通関ベース)

輸出額の伸び悩みについて、インド輸出機関連合(FIEO)のガネシュ・クマール・グプタ会長は、世界的な貿易減速などが背景にあるとし、「輸出促進に向けた財政的な支援や国内での研究・開発を促す税優遇策などが必要だ」と語った(「ファイナンシャル・エクスプレス」紙2月16日)。

(注)本短信における主要品目別分析は、インド経済モニタリングセンター(CMIE)のデータを用いており、商工省発表の貿易統計(速報値)と誤差が生じる。

(榎堀秀耶)

(インド)

ビジネス短信 c90404ca9efa3aec