タイ投資委、地域経済への貢献事業に新たな恩典

(タイ)

バンコク発

2019年03月22日

タイ投資委員会(BOI)は3月4日に開催した投資家向けの会合で、地域経済の発展に貢献する事業に対し、新たな恩典を設けたことを発表した(注1)。事業への民間企業の参画を促すのが狙いだ。

恩典の申請対象は、その事業がBOIの投資奨励業種に属し、かつ申請者が法人税の減免を得ていない、または減免期間が終了している場合となる。申請者が協同組合や地域の企業グループなどに対し、その生産性やサービスの向上のため、設備投資または研修の実施など、100万バーツ(約350万円、1バーツ=約3.5円)以上支援した場合、その支援額に応じて、申請者は3年間の法人税免除が得られる(注2)。複数の組織に支援する場合、1つの組織への支援額が20万バーツ以上で、計100万バーツ以上になることが条件だ。

具体的な支援内容としては、農業や食品加工に関わる協同組合を対象に、食品安全基準や製品デザインについての研修を実施すること、また生産ラインの機械設備やデジタル技術の導入支援などが挙げられる。

BOIへの申請の際、支援計画書も併せて提出する必要がある。BOIから奨励証書が発行された場合、証書の発行日付から3年以内に、これらの支援事業を完了させなければならない。BOIによると、恩典の申請受け付けは既に開始されており、2020年末が申請締め切りとなる。

(注1)本稿は、BOIが3月4日にバンコクで開催したセミナー「Thailand Investment Year-What’s New」でのドゥアンジャイBOI長官の発表内容に基づく。

(注2)支援対象となる地域組織は、農業、軽工業、観光のいずれか1つに該当する事業に携わっていること、さらに関連省庁または市町村自治体に登録されている組織であることが条件(参照:BOI布告11/2561)。免除される法人税は、支援額(投資額)の120%が上限。

(田口裕介、今泉美里)

(タイ)

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