2018年のGDP成長率、前年比2.5%と好調を維持

(オランダ)

欧州ロシアCIS課

2019年02月20日

オランダ中央統計局(CBS)は2月14日、2018年の実質GDP成長率(速報値)を2.5%と発表した。2017年の2.9%から0.4ポイント低下したものの、活発な消費と投資の増加により好調を維持した。純輸出も貢献したが、輸出入の伸び率はともに2017年を下回った(表参照)。

表 需要項目別の実質GDP成長率〔前年(同期)比〕

エリック・ウィベス経済・気候政策相は2019年以降の成長見通しについて、「全体的に堅調だ。ピークは越えているかもしれないが、ピークを越えた後に経験することが多くある」と語った(「ダッチニュース」紙2月14日)。

需要項目別にみると、2018年の家計支出は前年比2.5%の増加となり、好調だった2017年の1.9%を上回った。乗用車や電化製品への支出が成長を押し上げた。また、ホテルやレストランなどのサービス、運輸・交通、通信への支出も高く、サービスへの支出は国内消費支出全体の過半数を占めた。

総固定資本形成は4.8%増加した。2017年と同様、住宅用不動産や商業用建物への投資が寄与した。起業家による車、機械や設備への投資も目立った。

財およびサービスの輸出は2.7%増加した。そのうち、再輸出は国内産品の輸出に比べて若干高い成長だった。

産業別にみると、建設業が7.1%増と最も強い伸びをみせた。同部門で人材派遣会社があっせんする労働者の数に減速傾向がみられるものの、引き続き増加の一途をたどっている。

製造業も3.7%増と引き続き高い伸びを記録した。主として、輸送機器と機械・電気機器の生産が大幅に増加した。その一方、鉱物採掘部門は継続的に縮小したほか、農産物の生産も減少した。

(我妻真)

(オランダ)

ビジネス短信 d884e0196137f9d2