フランダース地域への2018年の対内直接投資は前年から倍増

(ベルギー)

ブリュッセル発

2019年02月04日

ベルギーのフランダース政府貿易投資局(注)は1月22日、2018年の同地域に対する直接投資額は、2017年の20億8,000万ユーロから倍増し、42億4,000万ユーロと過去最高だったと発表した。化学産業が牽引した。対内直接投資件数も、2017年の215件から234件に増加した。投資件数を国別にみると、2017年PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)に続き米国が最も多く、オランダ、フランス、ドイツと続き、日本と中国が同数で5位となった(表参照)。

表 フランダース地域への各国の対内直接投資件数およびシェア(2018年)

投資形態は、グリーンフィールド投資が全体の50.4%を占め、2017年に引き続き最も多く、次いで既存施設への追加投資が28.2%、M&Aが21.4%だった。

外国企業による2018年の新規雇用創出数は計5,339となり、活動の分野別でみると、物流分野が最も多く全体の31.3%、次いで製造が26.4%、販売およびマーケティングが22.7%を占めた。

フランダース政府貿易投資局は、投資面でフランダース地域に最も貢献した外国企業・団体を「外国企業投資賞」として表彰しており、2018年の同賞には、石油化学大手のボレアリス(オーストリア)、梱包(こんぽう)容器を製造する中糧包装(CPMC、中国)、物流サービスのメインフレイト(ニュージーランド)、医薬品・医療機器の製造販売のニプロ(日本)の4社がノミネートされている。

ボレアリスは、2018年10月にアントワープの同社工場に10億ユーロを投資し、プロピレン製造のための新施設を建設することを発表した。2020年の稼働を目指し、約100人の雇用を見込む。CPMCは、これまでにゲントに6,000万ユーロを投じて新工場を建設し、150人の雇用を創出する計画を明らかにしている。メインフレイトは、2,100万ユーロを投じて2018年6月にクロスドッキング(積み替え)センターを開所した。今回の投資は、同社にとって過去2年間でフランダース地域に対する3件目の大型投資となり、100人の新規雇用を見込む。ニプロは、2018年5月にメッヘレンに欧州・中東・アフリカ地域(EMEA)への販売の統括機能と日本国外で初となる医療研究施設を開所。2,400万ユーロを投資した。

同賞の結果は、3月19日に発表される予定だ。

(注)ベルギーは連邦制を採っており、通商分野は北部のフランダース地域政府と南部のワロン地域政府、ブリュッセル首都圏地域がそれぞれ管轄している。

(大中登紀子)

(ベルギー)

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