浙江省、2018年のGRP成長率7.1%、高水準の可処分所得を維持

(中国)

上海発

2019年02月06日

浙江省統計局の1月28日の発表によると、2018年の実質域内総生産(GRP)は5兆6,197億元(約89兆9,152億円、1元=約16円)で、実質成長率は前年同期比7.1%となり、中国全体の6.6%を0.5ポイント上回った(表参照)。

表 浙江省の経済動向

産業別にみると、第一次産業は前年比1.9%増の1,967億元、第二次産業は6.7%増の2兆3,506億元、第三次産業は7.8%増の3兆724億元だった。第二次産業において、一定規模以上の企業(注)の工業生産付加価値の成長率は7.3%増の1兆4,714億元だった。

貿易総額は、前年比11.4%増の2兆8,519億元となり、そのうち輸出額は9.0%増の2兆1,182億元、輸入額は19%増の7,337億元だった。特に、民営企業による輸出は10.6%増となり、浙江省の輸出総額の90.6%を占めた。主要輸出先のEU、米国、ASEANへの輸出はそれぞれ5,569億元(9.3%増)、4,620億元(10.1%増)、3,160億元(22.5%増)といずれも増加した。

消費動向を示す社会消費品小売総額は2兆5,008億元で、伸び率は中国全体と同じ9%増だった。都市部住民の1人当たりの可処分所得は8.4%増の5万5,574元、農村部住民の1人当たりの可処分所得は9.4%増の2万7,302元となり、直轄市を除く省レベル(27省)では、都市住民の可処分所得が18年連続1位、農村部住民可処分所得も34年連続1位となった。

浙江省統計局は2018年の経済動向について、「安定した成長を遂げたが、外部環境は複雑で厳しく、不確定要素は増している。経済の下押し圧力は大きく、実態経済が直面する課題は増えている。金融リスク発生の抑止や省エネ・環境保護改善などが依然必要不可欠である」と分析した。

2019年は高度な発展を促す

浙江省政府は、1月27日に開催された浙江省第13回人民大会(省議会に相当)で、2019年のGRPの成長率の目標を6.5%とした。主な政策としては、高度な発展を促す政策の実施、製造品質を向上させるための取り組み、長江デルタ地域の一体化発展という国家戦略の加速、中国(浙江)自由貿易試験区や海洋経済発展モデル区の建設を進めることなどが挙げられる。特に、長江デルタ地域の一体化発展では、石油天然ガス貿易センターの建設、中国(浙江)自由貿易試験区では、国際船舶への低硫黄油供給体系設立など海洋関係にも力を入れる姿勢が見られた。

(注)一定規模以上の企業とは、その年の主な業務による売上高が2,000万元以上の工業企業を指す。

(張潔菁)

(中国)

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