ボリビア大統領選挙の前哨戦となる党内選挙を実施

(ボリビア)

リマ発

2019年02月04日

ボリビアにおいて1月27日、2019年10月に開催される大統領選挙の第1次選挙が実施された。同選挙は、2018年8月に可決された新たな政令1096号(通称:政治団体法)に基づき、各政党内で行われるもの。政治団体法には、党内選挙を通じて、各党が大統領と副大統領の候補者2人を選出する必要が定められている。わざわざ他党と同じ時期に、党内選挙というかたちで候補者を決めなければならないというプロセス実施の意義について、野党からは疑念の声が上がっていた。

それに加え、現職のエボ・モラレス大統領が、2016年2月の国民投票で次回選挙の立候補が否決されていた(注1)にもかかわらず、与党・社会主義運動党(MAS)内の選挙に立候補したことで、野党各党は反発を強めた。ただし、各党とも10月の選挙への立候補の権利を得るため、やむなく候補者選びを前倒しして、かたちだけの党内投票、つまり得票率の高さを追求せずに、とりあえず得票率で大統領候補を選出した。

本番の大統領選挙とは異なり、投票は義務ではない。また、罰金も科せられないため、各野党の得票率は現時点で2~5%台と、非常に低率になっている。モラレス大統領を擁立する与党MASの得票率でさえ33.0%(注2)にすぎない。

今回の第1次選挙で、10月の大統領選挙に参加する9の政党が確定した(表参照)。MASに対抗する野党8党の中には、野党最有力候補の元大統領で市民共同体連合のカルロス・ディエゴ・デ・メサ氏のほかに、元大統領、元副大統領、元上院議長各1人と、現ラパス州知事らが名を連ねている。しかし、野党勢力が分散されている状況下で、モラレス大統領の4選目を阻止するのは厳しい、という見方も出ている。

表 ボリビア大統領選挙の候補者リスト

(注1)2018年12月4日付で、ボリビア最高選挙裁判所(TSE)がモラレス大統領とガルシア副大統領を第1次選挙候補者名簿に載せたことで事実上、再立候補が認可された。

(注2)TSEによる最終結果の公表日は2019年2月3日。

(設楽隆裕)

(ボリビア)

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