2018年のエネルギー生産は好調を維持

(ロシア)

欧州ロシアCIS課

2019年01月15日

ロシアの2018年の燃料・エネルギー生産部門は好調を維持した。アレクサンドル・ノワク・エネルギー相による発表(2018年12月17日)と、(同相から)プーチン大統領への報告(2019年1月10日)によると、2018年のロシアの天然ガスの生産量は前年比5%増の7,250億立方メートルで、18年連続で過去最高記録を更新した。そのうち、輸出分は2,250億立方メートル(9%増)で、パイプラインによる輸出量が4.1%増となったのに対し、液化天然ガス(LNG)による輸出量はヤマルLNGの稼働で70%増の260億立方メートル(LNG換算で550万トン)に大幅に増加した。

原油生産については、2018年に新たに54の油田が稼働し、2018年の生産量は前年比1.6%増の5億5,600万トンとなった。また、年末の12月28日には日量ベースでロシアの過去最高となる156万8,000トン(1,149万バレル)を記録している。

石炭生産については、2018年の生産量は4億3,300万トンとなっている。2017年の生産量がそれまでの過去最高の4億880万トン(2018年2月28日記事参照)を記録していたことから、引き続き過去最高を更新するものとみられる(注)。

原子力部門では、国営原子力会社ロスアトムの傘下企業で、ロシア国内に10ある原子力発電所を運営・操業するロスエネルゴアトムは2019年1月1日、2018年のロシア国内における原子力発電所の発電量が前年比1.46%増で、過去最高の2,042億7,500万キロワット時(kWh)を記録したと発表した。原子力発電は、ロシアの全発電量の19%を占めている。

また、ロシアの水力発電大手で極東における電力・熱供給事業大手ルスギドロのニコライ・シュリギノフ社長は2019年1月11日、プーチン大統領との会談で同社(グループ企業を含む)の発電容量が過去最高となったことを報告した。前年比335メガワット増で、2018年に稼働したボストーチヌィ熱電併給所(沿海地方、140メガワット)、水力発電機の更新による50メガワット増などが貢献した。

(注)数値は速報値とみられるため。

(高橋淳)

(ロシア)

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