2019年の輸出は10%増と予測、TPP11は第1四半期に批准予定

(ペルー)

リマ発

2019年01月18日

通商観光省(MINCETUR)のエドガー・バスケス大臣は、「GESTION(ヘスティオン)」紙(1月16日付)のインタビューで、2019年のペルーの輸出を前年比10%増の520億ドルと予測していることを明らかにした。2018年については、同省が掲げた500億ドルの目標は達成できなかったが、過去最高の480億ドルに上ったと述べた。2019年の非伝統産品の輸出は前年比で15%の増加を予測しており、鉱業製品などの伝統産品についても、2018年末の銅の国際価格下落による金額ベースでの減速は認めつつも、全体で7%の伸びを示唆した。

非伝統産品については、近年成長が著しい農産業での支援事例を他の分野にも適用していく意向を示した。数量では、農産品を筆頭に化学品(プラスチック製品、酸化亜鉛、硫酸、染料など)、水産品(伝統品のカタクチイワシ以外)、繊維アパレル品、鉄鋼品などが伸びており、ポテンシャルを秘めていると述べている。

今後の施策として、現在進行中の産地から輸出港までの物流コスト削減のパイロット計画(世界銀行調査選定品目のブドウ、タマネギ、コーヒー豆、カカオ豆、キヌアの5品目のいずれかを対象に実施中)が成功すれば、対象以外の品目や地域にも適用することを検討しているという。また、在外商務部(OCEX)について、2017年に発令された最後の事務所改編計画(注)以降も、業務効率化のための既存事務所の閉鎖やサテライト事務所の開設の検討を進めていると語った。

2018年末に発効した環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP、いわゆるTPP11)については、2019年第1四半期(1~3月)中の批准を予定しているとし、1月19日に日本で開催される同協定の第1回閣僚級会合にもペルーは参加すると表明した。バスケス大臣のほか、MINCETURのヘラルド・メサ アジア・オセアニア・アフリカ担当課長らが参加する予定。

(注)MINCETUR決議2017年2号によりブエノスアイレス、シドニー、香港、サントドミンゴ、バンコク、ヒューストンのOCEX新設。アクラ、カラカス、ジュネーブ、リスボン、プレトリア、テルアビブ、ワシントンのOCEX閉鎖を決定。

(設楽隆裕)

(ペルー)

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